独立FPの独白ブログ

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昭和史は僕らの必須科目!

1月12日半藤一利さんが亡くなりました。もう少し長生きして良著「昭和史」に続き「平成史」も残して頂きたかった。

高校時代の授業に面白みを感じなかったことと、大学受験時に選択科目としなかったこともあって私は日本史に弱く、特に近現代史に苦手意識があります。新書やら文庫本やらムックやら試して見たものの、いつも挫折して投げ出していました。そんな私に初めて日本の近現代史を面白いと思わせてくれたのが、半藤一利さんの一連の書籍です。

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 特に「昭和史1926-1945」のおかげで、知っているようで殆ど知らなかった太平洋戦争の前後の日本の実態と、時代を超えて底流する「日本国の問題点」をいやというほどに知らされることになった。あの無謀な戦争に突っ込んてでしまった日本人、悲劇の拡大を食い止められなかった日本の国家体制。そしてそれを許してしまうことになった日本国民の特性。何時の時代も自分の立場の温存を最優先に考え、常に責任を取らずに済ます政治家・官僚・財界トップ、それらを醸成してしまう僕たち国民の無関心と、空気に流され漂う気質。

非常に少数ながらも「安易に流れに乗らず、自分の役割を全うしようと奮闘する人たち」はいつも存在するが、多くの場合にムラ社会同調圧力の波によってはじかれやすいこと。国家レベルの災害や危機に際して所謂リーダー達がどんな状態になるのか、国は僕たちに何をしてくれるのか或いは何もしてくれないのか??

危機に際して僕たちが生き残るにはどう考え、どう動けば良いのか・・・そうした不安や疑問に関する答えは「事実としての歴史」の中にあるようです。

 

先日、コロナ禍について話していた時に友人が「今の政治の状況ってあの戦争の時と同じようだね」と言ってカバンから出して見せたのは「昭和史1926-1945」(戦前・戦中編)であった。その時、私はたまたま2冊目の「昭和史戦後編」を再読中であったので「奇遇だね」と苦笑いし合ったのでした。

「21世紀の戦争論」の共著者・佐藤優さんが先日のラジオ放送で「半藤さんはとても話が面白い、あの方は噺家(はなしか)だった」と語っていた。上記の「昭和史」2冊は講義形式で語られた内容を文書化したものであり、非常に聞きやすい・否・読みやすいのです。遅読の私でも読破可能だったこの2冊、未読の方々に強くお勧めいたします。

 

最後に上巻の最後の方で語られている「昭和の戦争から学ぶべき五つの教訓」の骨子のみを引用します。(戦前・戦中編503頁~)

1:国民的熱狂が作られてしまう危険

2:抽象的観念論に走り、具体的・理性的方法論を検討しない危険

3:タコつぼ社会(ムラ社会)における小集団主義の弊害

4:国際社会での常識、日本の位置付けの無理解

5:大局観無く対症療法的にその場その場のごまかし的対処をする発想

 

これを見て「なるほど今も全く変わらないね」と多くの人が思うでしょう。

そしてひとりの読者の感想として「少し時間が経てば簡単に忘れてしまう癖」を6つ目に加えたいと思うのです。  戦時中も、大地震の時も、原発事故の後も、感染症の拡大に際しても、いつも、いつになっても僕たちは変わらないのか? 同じことを繰り返すのか?

「任せておいて、いざとなるとブウたれる政治認識」からいい加減に脱却しないと、結局困るのは僕たち自身なんです。

日本の問題、僕たちの問題、未来のために、昭和史から学びましょう!