独立FPの独白ブログ

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■おとなのフランスどうなる?


フランスという国は先進国の中で最も大人の国だということを良く聞きます。
大人というのは、国民の社会意識が高いとか、自国の文化を重要視しつつも他国の文化にも理解を示すとか、所謂「民度が高く」「成熟」した国家だというような評判ですね。
この大人の国から出たスーザン・ジョージ女史(女優にあらず)が書き続けるアメリカ流グローバリズム経済(というより市場原理による地球支配)への批判は非常に的を射ていると感じますし、先のイラク戦争などでも批判を繰り返したシラク大統領の姿勢には、よくぞ言ってくれましたと感嘆するばかりでした。


しかしそのフランスでも「国家の規制による弱者保護」が行き過ぎているという批判が増幅し、「資本主義原理のもとでの適正な競争による成長」を目指す方向に少し舵が切られたようです。
結果の平等を目指す巨大国家権力が社会主義という幻想に向かいながら結局市民を虐げたように、機会の平等を謳う新自由主義者たちが市場原理至上主義によって格差拡大を推し進めて結局市民から略奪する、結局いつまで経っても一般市民は浮かばれない、と私は思っています。


しかし、今、ブッシュ・ネオコン政権が末期症状にあり、そこに追随したブレアが去り、付和雷同の日本ですら、ネオコン追従による格差拡大の問題にはさすがに気付き始めたこの時期に、あの大人のフランスまでもが・・・ということを思ってしまいます。
大人のフランス人でさえも、バブル生成期の日本人が「使い捨て」が文化だなどと勘違いしていたり、「財テク」が経営者の必須などと思い込んでいたように、アメリカ型の「自由競争システム」導入の向こうに明るい自分の将来を夢想してしまうのでしょうか。しっかりと個人の確立が成っているはずの大人のフランス人なら、単純にして浅薄なる自由主義のままごとでは終わらないと思いますので、そこに期待しましょうか。


サルコジ当選の直後からフランス各地で起きている暴動は、フランスが大人である証拠なのか、あるいは大人でなくなっている証拠なのでしょうか??