独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

日本の国境線はどこに?

本業は不動産業になりつつあるなどと揶揄されるTBSですが、日曜夜6時のテレビ番組「THE世界遺産」は最近毎週のようによく観ています。
先日取り上げられたのはカナダとアメリカの隣あう2つの国立公園がひとつになったという「ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園」でした。

アメリカ、カナダの国境地帯。ロッキー山脈のほぼ中央に位置するこの自然遺産は世界で初めて誕生した国際平和公園。公園設立のきっかけは、両国の地元市民たちが起こした小さな運動でした。今からおよそ80年前、周辺のロータリークラブのメンバーが共に立ち上がりました。人間が定めた国境など関係なく続く豊かな自然を守ろうと政府に呼びかけたのです(TBS公式ホームページより)

周辺の両国国民が手を結び国境を越えた自然保護を訴えた運動を記念して、今も行われる式典を紹介する映像では、地面にはっきりと表示されているカナダ・アメリカの国境線が映っていました。思えば国境線は世界中各地に張り巡らされていて、住環境の分断や紛争や戦争が絶えることはありません。多くの日本人はほとんどそういうことを知りません。


日本の国土上には(厳密な意味ではなく)国境線がありません。世界地図を見れば大海の中にポッカリと浮かぶ島国ニッポンは、まったく他の国から独立して存在しているような印象しか受けません。
幼少のころからこの地図を見慣れてしまい、「我が国の伝統と尊厳と自立」についての教育を受けることもなく、世界と祖国の関係性を深く学ぶ機会もなく育ってしまった私たちは、「日本の国境」を意識することはほとんど無いと言っても間違いはないでしょう。


そんな私たちが選挙で選んだ政治家たちなのですから、中国との尖閣諸島事件や、ロシ大統領の国後訪問などの「領土の問題」をうまく対応できないのも致し方のないことではないでしょうか。(一連の騒動は政治というよりむしろ、外務省など官庁の対応にこそ大きな問題があるのだと思いますが、その話は後日ということに・・・)


「他国との緊張関係」を意識せざるを得ない日常を送っておられるはずの、沖縄県民や北海道の人たちの気持ちを、国境線を知らずに済んでいる我々が少しでも想像してみることから始めるしかないと思います。
この番組では「国境線」と同時に「先住民」の問題も少し扱っていました。
「世界を考える」ことのきっかけを与えてくれる、こういう番組をもっともっと充実させてくれるようテレビには期待したいのです・・・