独立FPの独白ブログ

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ピンチ=チャンス?

世界は今「ミゾウ」の経済危機に晒されています。先進諸国の中では「金融危機の傷は比較的浅い」はずであった日本が実はかなりの落ち込み振りであると発表されました。アメリカもヨーロッパも日本も、すべての株式市場で下落が続いています。この時期に保有している株式投資関連商品や変額保険など変動商品について我々はどう対処すべきなのでしょうか。


エコノミストでもなく投資運用の専門家でもなく、ただしFPではある私としては、やはり色々と考えましたし、多少の手を打ちました。
私の保有する変動商品はT生命の「変額終身保険」と、S投信の「日本株ファンド」ですが、それらについて昨年秋口の金融市場大暴落以降、つぎのような変更を加えました。


【変額終身保険】

契約時以来動かさなかったファンド繰入れ割合を変更しました。

1:世界株ファンドの内訳でアメリカ株は50%超になっているので、全体に占めるアメリカの比率を下げた。
2:為替変動の影響を受ける為替ヘッジなしのタイプ(当然為替変動メリットもあります)をゼロにした。
3:実力(潜在的成長可能性)からすると異常な安値と思える日本株を大きく増やした。
4:日本株を増やしたために欧州株が減った。(暫くして戻すかも知れません)


なお、この保険のこれまで積み立てられてきた分、つまり積立金についてはもっと極端に動かして、日本株=80、世界株=10、欧州株=10の割合としました。
これは、欧米の株式市況は大変に落ち込んでいるが、「日本株がよりひどく不当なほど安くなっている」という考えたためです。


【日本株式投資信託(毎月定額投資タイプ)】S投信

昨年10月、11月に日本株式全体が不当なほどに安いと感じていたため、満期になった定期預金から一部持ち出して合計数十万円を買い増しました。通常は毎月定額投資しかしていませんが、この安値の時期に少しでも買っておこうという単純な発想です。
追加購入後も残念ながら政治の停滞もあり、アメリカ経済再生の困難さが露呈し、景気低迷はますますひどくなり、先日日経平均は7千円台の下のほうまで下がりました。しかし、別に短期的売買で利ざやを稼ぐトレイダーではありませんので、追加購入の時期が「まだ底値ではなかった」ことはさほど問題ではありません。数年後には、あの判断はさすがに間違っていなかったと笑えるはずと信じています。


「運用のド素人」である私としては、色々な情報もとに自分自身で導いた考え方を信じて運用の方針を少し変えたということなのであって、私の考えが妥当だとお客様に提言するつもりはありませんし世間に発表する主旨でもありません。運用ポリシーというのは常に「自分はこう考えるからこうする」ということでしかあり得ません。


「市場の将来予測は絶対に不可能」といつも言い続けている私なので、「何も動かさない」のが正解かもという思いも多少ありますが、このどう見ても極端と思える今の状況においてはやはり少し動かしておこうと考えたのです。


「株や債券相場はまだまだ下がる。今は現金が最も安全、何もすべきではない」という説と、「100年に一度の危機=100年に一度のチャンス、今こそ投資を」という正反対の説が「経済マスコミ」の中で共存しています。私の考え(というより感覚)がまったく間違っているのかも知れませんが、たとえそうであってもそれは仕方のないことです。


「人生からリスクを完全に排除する」ということは「生きるのを止める」ということと同義だと私は思います。
「リスク」の語源は「勇気を持って試みる」なのです。