久し振りにベートーヴェンのピアノ協奏曲5番のCDを車で移動中に聴きました。
「皇帝」はやっぱりピアノ協奏曲のホームラン王です。
私がガキの頃、母が大好きだったこの曲のレコードをしょっちゅうかけていたようで、クラシック音楽などほとんど聴いた記憶が無い私なのに、この曲だけはメロディラインをかなり覚えていました。
4〜5年前、クラシックを本気で聴くようになってからも、最も親しみやすく、さほど力んで聴くのでもなく、でもジックリとゆったりと聴くことの出来るこの曲は、私にとっては最高の曲目です。
大したことはありませんが、CDも5枚持っています。古い演奏家ばかりなのですが、バックハウス、ルービンシュタイン、アラウ、グルダ、ブレンデルと所謂巨匠と言われるピアニストのCDのうち、私の最も好きなのが超大物ルービンシュタインが若手指揮者バレンボイムと競演した演奏です。
このCDが超名盤、決定的名盤として紹介された回数は半端ではないと思われます。
聴いたことも無いようなゆったりとしたテンポで天才の品格、風格を漂わせるかと思えば、一転して激しく早いテンポで登りつめてゆく時もあり、若手指揮者が引っ張るオーケストラのはやる気持ちを老練な天才のピアノがなだめながら抑えつつ進んでいるような印象もあり、とても楽しいコラボレーションであることを素人の私でも感じることが出来ます。
このときの指揮者バレンボイムは若干33歳で、ピアノのルービンシュタインはなんと55歳年上の88歳なのです。40分以上に及ぶこの壮大な協奏曲を、弾き手が老人であるなど聴き手に全く意識させること無く最後まで大迫力で弾ききっています。
いくら天才アーティストと言っても、88歳というのは信じられないような本当にすごい演奏です。
ベートーヴェンの音楽について、厳格な、或いは悲壮な、暗いイメージを持っているかたは、是非この気品溢れる、感動的な、非常に明るい演奏を一度聴いてみて欲しいと思います。
ジャケット写真の88歳のルービンシュタインと、33歳のバレンボイムが演奏について語り合っている様子のツーショットもなんともカッコイイです。
今のところ、ルービンシュタインは私の最も好きなピアニストです。
- アーティスト: ルービンシュタイン(アルトゥール),ベートーヴェン,バレンボイム(ダニエル),ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: BMGメディアジャパン
- 発売日: 1999/11/20
- メディア: CD
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