独立FPの独白ブログ

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古今亭志ん朝『堀の内』のテンポ

志ん朝さんの落語の素晴らしさのひとつはそのテンポです。 人情噺のしんみり聞かせる場面ではゆったりとしたテンポ、滑稽噺では軽快なテンポ、緩急自在の天才振りで聴くものを引き込んでしまいます。


あたまに「超」が3つくらい付きそうなとんでもないアワテ者が主人公の『堀の内』という滑稽噺があります。 アワテ者癖を直すために堀の内のお祖師さま(現在も杉並区堀の内にある妙法寺)へお参りに行くのですが、出だしから方向を何度も間違うなど、あちらこちらで失態を繰り広げながら江戸中を駆け回るノンストップギャク落語です。


途中での様々なひととの出会い、会話など相当な速さで展開するのですが、ハイテンポなギャグの連発はよどみなく、絶え間なく、素晴らしい活舌と軽快なテンポで進んでゆきます。本当に志ん朝さんは天才だとつくづく思いながら大笑いしたのです。


文句なく可笑しいし、時間も20分とやや短めですし、まだ落語を聴いたことがないという人の入門用としても良い演目かも知れません。
カップリングされているもうひとつの演目『化け物使い』も色んな妖怪とひと使いの荒い主人とのやり取りが軽妙な面白いおはなしなので、このCDは結構お買い得に思えます。


落語名人会(28)

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