独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

北杜夫さん死去

北杜夫さんの名を聞くと、私が最もピュアでナイーブで可愛かった(!)中学生時代の空気感がよみがえる。読書という人生にとって重要な行為が曲がりなりにも私の習慣となったことに関して、北杜夫さんの存在意義は大変大きいと感謝しています。


入門は「どくとるマンボウ航海記」で、多分中一で読んだのだと思います。
「船乗りクプクプの冒険」はほんわかと楽しかったので、30年後に我が息子たちにも推薦しました。
前代未聞?ゴキブリが主人公の「高みの見物」や、天才大泥棒が世界をまたにかけて活躍、奔走する冒険劇「怪盗ジバゴ」は何度も読み返しました。
コンゲーム的道中モノの雰囲気の「奇病連盟」も面白かった。
寓話の中にも何かずっしりしたものを感じさせる「さびしい王様」も心に残ります。
ユーモア小説と回顧録的エッセイを中心に良く読んでおりました。


ご自身の「そううつ病」を公言していることに驚いたり、時折テレビに登場しては飄々とした表情で発する厳しい意見に感心したり、自分勝手、だらし無い、いい加減だとご自分のことを激評するという「愉快な天才」ぶりが大好きでした。


昭和の天才がまたひとりいなくなりました。
ご冥福をお祈りします。