独立FPの独白ブログ

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『分散』はリスク対策の第一歩(1)

電力の供給システムを一極集中にしておくのはマズイ、という話から始めようと考えていましたが、もっと軽めの身近な出来事が起きたので、方針変更します。


先日吉祥寺で友人と会食の約束があり、少し早めにビアホールに着きサービス券で一杯無料のビールを飲んでいると、友人が遅れてやって来た。
入ってくるなり彼は非常に暗い表情を浮かべ、「オレ、財布を失くした・・・」と大きくため息。私の前にあるひとと打ち合わせしていて、喫茶店代金を払おうとして気が付いたらしい。電車での移動は定期券なので、財布を取り出すことは無く、しばらく気づかなかったようです。


彼は財布の中身を思い出そうと苦労していたが、現金約2万円、銀行のカード、クレジットカード、運転免許証、領収証、飲み屋の割引券、あれこれあれこれ・・・・。
会社のデスクに置いたまま出て来てしまった可能性があると言うのですが、電話で確認できる仕事仲間は会議で席をはずしているとのこと。別のセクションの誰かに聞けばと言うと、恥ずかしい、という変なおっさんだ。


通常は2、3時間続く会食だが、早々に切り上げることにして、彼は1時間は掛かる会社に戻って行きました。会社に入るためのIDカードは持っているし定期券もあるので一応基本的な移動、行動は可能です。もしも会社にも財布がなかったら、慌てて警察に届け出に行かねばならないし、黙って帰宅するしかありません。


実は昨年秋に私自身が財布を失くした(私の場合は誰かに盗られた・・)のですが、それはまさにこの友人との飲み会の日(同じ吉祥寺の同じビアホール!)であったので、不思議な気持ちを感じつつおひらきに。


さて、ライフプランの基本のひとつ「資産の分散保有」では、現金預金だけの保有ではなく、株式などの有価証券、不動産、金融商品、外貨預金などに分散すべしというのがありますが、最も原初的な日常的なリスク分散対策は、一つの財布になんでもかんでも入れておくな、ということなのでしょうね。


昨年の私の場合、財布を失くした可能性の高い昼食のお店に戻って、あれこれ聞いたり頼んだりし、駅前の交番で紛失届けの手続き、家に銀行印を取りに帰り、信用金庫の窓口でキャッシュカード紛失届と預金口座凍結の手続き、カードの再発行以来をし、いくらかの現金を引き出し、もう一つの銀行で同じことを繰り返し、クレジットカード会社3社に電話とカード再発行の依頼をし・・・・・。
「向けどころのない憤り」と「過去に戻れない悲しみ」を背負いながらそんなことを色々やらねばならないのです。本当に思い出したくないような失敗でした。


財布になんでも入れておかない方が良いと言えばそのとおりだが、とは言え、いくつも財布を持つというのが非現実的です。また、複数の銀行、複数のキャッシュカード、複数のクレジットカードがあったのが良くないのであって、一本化した方が良いという考え方もあり得るなあと気づいてしまった私です。


分散は大事だが「取りあえず分けておく」という短絡思考ではなく、物によって、場面によってキチンと検討したうえでの分散が必要、ということになるのでしょう。ううむ、なかなか難しい・・・。
私自身は仕事用の財布には現金と銀行カードは入れてありますが、クレジットカードは1枚だけにして、他の数枚のカードと運転免許証は別の財布に入れています。


帰宅途中、かれから「有りました!!」とメールが届いて、一件落着となりました。