グローバルスタンダードだの世界の自由を守るだのと美辞麗句を並べ立ているものの、アメリカという国は所詮自国の利益の最大化を目指すことに専心しているだけのことである。
自国の利益のためならば、たとえ他国の文明、文化が消えてなくなろうとも、地球上の生物が半減しようとも一向に意に介さない、(意識はないとしても)悪魔のような利己主義国家である。
(このことは勿論アメリカだけではありませんが、近頃特に目立つワガママ振りなのは間違いない)
・・・というふうに思えてしまったとき、いったいあの国はいつからそんなワガママ国家になったのだろうと思ったわけです。そこで、アメリカとはどんな国なのかについて考えようと思ったときに、まずはブッシュ政権の思想的背景の中心とされている所謂「ネオコン」について知りたいと思い、何冊かの本を立ち読みし、もっとも平易な印象だったので買ってきたのがこの本でした。
「ネオコン」とは「ニュー・コンサーバティブ」の略であり新保守主義ということになります。ではアメリカの保守主義とはどんなものなのだろうかという疑問に、比較的平易に答えてくれました。
「リベラリズム」と「保守主義」の考え方を比較した表があったりして、いい歳をして「リベラル」とか「保守的」という言葉の意味をかなり曖昧にしか分かっていなかった私には非常によき参考書となった次第です。
思想における右と左というものは、実は小泉時代に流行ったような「白か黒かのどっちか」というような単純なものではないらしいと気付いたことも大きな成果でした。
- 作者: 中岡望
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/04/10
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