独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■芝浜〜クマさんの誠実


先日、非常に生真面目に几帳面に誠実に真摯に顧客第一主義を貫く姿勢で保険ビジネスを展開している若き経営者の話を聞く機会に恵まれました。
我々ファイナンシャル・プランナーのように個人の(および個別の企業の)問題解決、目標達成援助をビジネスとするものは、サービスの質がどうしても個々人の能力や人間性に左右されてしまう面があります。しかし、彼の若き社長は自ら構築してきた「顧客第一主義」の崇高な理念を、実践の場で完遂するためのあらゆる方策を組織内で具体化して、様々なシステム作りを通して全社員に徹底させようと努力しています。個人の質の高さを組織に生かそうとしています。


むかし、所属していた元・外資系生保が(私の見方では安易に)拡大戦略に走ったことによって多くの企業文化を失う過程を見てきた私としては、この社長さんの日々の絶え間ない努力に敬服するとともに、良質なままでどこまで大きくなって行くものかと楽しみにも思うのです。


私自身のアタマの中には大きくする選択肢は皆無なのですが、組織であってこそとも言えるサービスをどのように個人ビジネスで達成してゆくのか、今後もしもこうした会社が増えてきたときに、個人FPとしてどこまで対抗しうるのか、ウカウカして入られないと気持ちを新たにするよいキッカケを与えてもらいました。


さて、そんな気持ちで帰宅して、布団の中での寝酒ならぬ「寝落語」に選んだのは志ん朝さんの「芝浜」でした。ある出来事をキッカケに正真正銘の一流の職人へと脱皮する魚屋の熊さんとその女房の姿に涙しました。私のような者は事業の規模拡大を追わない以上は「徹底した質の高さ」で勝負するしかありません。
一攫千金を夢見るのでなく、質を追求し続けて「こつこつこつこつこつこつ・・・・・・」を今年はこれまで以上に粘り強くやってゆこうを思ったのでした。


芝浜は名作ですが、少々感動し過ぎたので、このCDのもうひとつの演目「百川」でくすくす笑いながら眠りにつきました。めでたし・・・・。


落語名人会(14)

落語名人会(14)