独立FPの独白ブログ

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■資産運用のアドバイス

中・長期の貯蓄や資産運用の考え方やその手段についてのご相談を受けました。
その事前準備の一環として現実の資料を見ておこうと思い、事務局に行く前に銀行に立ち寄って、今銀行が盛んにPRしているらしい商品のパンフレットの中からいくつか貰って見てみました。やはり目立つのは「年金商品」と「分散投資商品」です。
これらの詳細についてはHP(ライフプラン工房〜金融商品甘い罠)の方に譲りますが、パンフレットに並ぶ文字には、FPとしてはなんとも気になる表現が含まれています。


契約の際に外貨預金も同時に申し込めば、定期預金の利息を大きく上乗せするという類の分散投資商品のお奨めが目立ちます。
定期預金金利がよくてもせいぜい0.1%のこのご時世に「4%」とあれば、へえ、これはいいじゃないか、と一瞬思う人は少なくないでしょう。しかし良く見ると、この選択が得策であるかどうかは慎重に見極める必要があると気付くはずです。


年4%というその優遇金利は、定期預金が3ヶ月ものなので実際には1%なのです。(12ヶ月ものなら税金を除いて4%殖えますが3ヶ月なので、4%×3/12=1%です)


また、半分以上を占める外貨預金では円を外貨に換えるための為替手数料が掛かり、満期時に円に戻す時にも手数料は掛かります。国によって違いますが往復で2〜3%は掛かります。


また、円⇒外貨のレートと外貨⇒円のレートそのものの差がありますので、それだけでも2%ほど損失を蒙る可能性があります。


更に当然ながら、外国為替レートの変動リスクが存在し、3ヶ月で3%くらい上下することはさほど珍しいことではありません。


つまりこれらをまとめて言えば、1%の金利上乗せのために、5%〜8%の損失のリスクを背負い込んでしまうということです。ここまでしてこの分散投資商品を買う必要があるひととは一体どんな事情を持つひとなのでしょうか?


ちなみに、このパンフレットの4%の「4」の文字の大きさと「元本割れリスク」の説明文の文字の大きさを測ったところ、その比は 20対1 でありました。