独立FPの独白ブログ

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『拒否できない日本』(文春新書)を買いました

数ヶ月前に知って以来ずっと気になっていたこの本をやっと購入してきました。
この本の主旨は・・・


建築基準法の改正や半世紀ぶりの商法大改正、公取委の規制強化、弁護士業の自由化や司法改革、これらはすべてアメリカ政府が彼らの国益のために日本政府に要求して実現させたもので、アメリカの公文書には実に率直にそう明記されている。
(中略)様々な分野で日本がアメリカに都合のいい社会に変えられてきた経緯をアメリカの公文書に則して明快平易に描く。』(カバー折り返し解説文)…というものです。


このアメリカの公文書とは「年次改革要望書」というもので、その内容はアメリカ大使館のホームページなどでも公開されていて、翻訳文も読むことができます。
そして「郵政民営化」も改革要望の中の最重要項目に挙げられているのです。
小泉政権は着々とアメリカの「要望」を実現しているという訳であり、そして先の選挙結果を見る限りは、国民もこのアメリカの要望に応えることに賛成したという事になるのです。


「アメリカは実質的に日本を占領統治している」という意見に対しては、陳腐な陰謀史観だと見下したり、SF小説の読みすぎなどと切り捨てる人がいますが、私にはこれが真実だとしか思えません。


あとがきにこういう一文があります。


『今の日本はどこか異常である。自分たちの国をどうするか、自分の頭で自律的に考えようとする意欲を衰えさせる病がどこかで潜行している。 〜中略〜 アメリカがこれまで日本にしてきたことは一貫してアメリカ自身の国益の追求、すなわちアメリカの選挙民や圧力団体にとっての利益の拡大、ということに尽きる。そのこと自体に文句を言ってみてもはじまらない。自国の納税者の利益を最大化するために知恵を絞るのはその国の政府の当然の責務である。アメリカ政府は当たり前のことをしているに過ぎないのだ。 問題は、アメリカの要求にしたがってきた結果どうなったのか、その利害得失を、自国の国益に照らしてきちんと検証するシステムが日本にないことだ。・・・』


これは非常に大きな問題です。人間が持つ(それ以外の生物と決定的に異なる特性であるところの)思考する能力と想像する能力を自ら放棄している状態の日本人、思考停止大国にならぬうちに早く目覚めなければいけないでしょう。


映画「たそがれ清兵衛」で清兵衛が娘に語った「学問をするとなあ、自分の頭で考える事ができるようになるんだ」 というセリフが実に名言と感じる今日このごろです。
みなさん、学問しましょうよ、 自立のために・・・。

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)

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