先日のブログで紹介した書籍「永続敗戦論」で目からうろこ的に理解したのは、現在日本を覆っているというか、その基礎となっているらしい基本構造のことでした。今までなんとなく断片的に見聞きしてきた不思議な出来事が、実は大きな構造の中で起きていることだった、という気づきは一種の快感を覚えるほどでした。
世の中のことを何でもかんでも「大きな構造の影響下」に結びつけて納得しようとする考え方はよろしくないと思いますが、「大きな構造」の存在を知っておくことはやはり大事だと思うのです。「将棋の盤面は9×9=81個の升目しかない」ことを知らずに将棋を始めても全く勝負にならないのと同じでしょうから。
戦後日本の成り立ちの基本構造を理解したことで即座に私がイメージしたのは、ジムキャリー主演のハリウッド映画「トゥルーマンショウ」(1998年公開)でした。
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このことが分かった段階で、では次にどう考えるか、それは人それぞれ異なる対応になるでしょう。完全な自立無くしては人間として生きる意味がないと考える人もいれば、大きなものへの従属によって自らを維持するのも生き残り戦略であるという考えもあるでしょう。人間だれしも何らかの大きな構造の中でしか生きられない、という見方もあるような気もするし・・・
主人公トゥルーマンがその環境の不自然さに気づく過程で、彼を取り巻く「演技者たち」の彼との接し方、この仕組みを統括しているプロデューサーの「彼への奇妙な愛情」などに想いを馳せて、自分だったらどうするだろう、なんて想像してみたりするのも面白い観方なのかもしれません。
さて、この映画で自分を囲んでいる「大きな構造」の存在に気づいたトゥルーマンはある行動に出たわけですが、その後の彼の運命はどのようなものだったのでしょうか?
続編はなさそうですが、気になります。