独立FPの独白ブログ

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見逃しやすい「ランニングコスト」

住宅に関するコストですぐに思い浮かぶのは「購入代金」と「ローン金利」などのイニシャルコストでしょう。しかし、それ以外の購入後の費用として「リフォーム費用」や「火災保険料」なども大きな要素ですが、つい忘れがちかも知れません。


また、マイカーの購入についても同様のことが言えそうです。
強制加入の自賠責保険には上限がありますし物損は補償対象外ですから、これだけではいざ事故の加害者になった場合の賠償責任を果たせません。法的に任意加入ではあっても自動車保険の加入はクルマを運転するひとにとっては常識と思います。


住宅メーカーや自動車ディーラーのセールスマンが「購入後の中・長期的なコスト」を詳細には説明しないとしても、それは仕方のないことかもしれません。せっかく買う気になっている見込み客に「あとあとも結構お金がかかる」と敢えて知らしめるのも、営業の立場ではなかなか難しいことでしょう。


ですから、住宅購入や自動車購入を検討する場合には、消費者自身が詳細なコスト予測を伴う冷静な検討を行うことが大事なのです。ランニングコストの試算、検討は非常に重要な検討項目だということなのです。


日本ではこれまで「原子力は安全でクリーンでローコスト」という説明がなされ続けて来たようですが、このスローガンの信頼度は日々崩れつつあります。
ネット上ではこの期に及んで「原発反対はヒステリー」だと切り捨てようとする人たちがいるようですが、いくら無知、無批判のお人よし日本人であっても、もうさすがに誰も信じないでしょう。


日本の電力業界と政策では今起きているような事態を想定していなかったのですよね。原子力発電のコスト計算上は、原発事故の賠償補償費用は一定額までしか加味されていないようです。もしも、今起きているような大事故の賠償費用を見込んで、あるいは大規模事故を想定した損害保険の保険料を加味してコストを計算すれば、電気料金は現状の3倍くらいにはなるだろうという議論を目にしました。


売り込む側のセールストークだけで判断することが、買う側にとって非常に危険なことだということを恐怖と共に実感させられている毎日です。