独立FPの独白ブログ

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上海万博を笑うな

長時間の行列に耐えられない、平気で列に割り込む者が多い、他人への基本マナーがなってない、入場者のコントロールができていない、多くのパビリオンは期待はずれ、などなど・・・。
先週末に開幕した上海万博について日本のマスコミ報道はおおむね批判的です。というよりも悪口のオンパレード状態です。はっきり言うとバカにしている、下に見ている、笑いものにしているのではないかと私には感じられますね。


一般的な日本人の意識の中には「欧米を上に見て、アジアを低く見る」という傾向があることは誰も否定はしないでしょう。私自身は最近10年位でこうした日本人の感覚は完全に間違いだと思うに至っています。ところが少しでも中国や韓国のことを持ち上げる発言などをすると、「アカ」だの「スパイ」だのといまどき信じ難いような反応が反って来そうな状況が(特にネットでは)あるので、ついつい慎重になってしまうのです。


しかしそれでもやはり、これから日本人は「脱亜入欧」が実際には「脱亜欧・入米」になってしまっている妙な状況から一日も早く抜け出すべきだといつも思っています。


「アジアの一員」であることを忘れようとしているかのような日本人の精神構造について、寺島実郎氏はPHP新書「世界を知る力」の中で以下のように述べています。

…わたしたち日本人の体内には、中国などアジア・ユーラシアを起源とする2千数百年にも及ぶ歴史時間が蓄積されている。一方1945年から始まった戦後はわずか60年あまりにすぎない。一日に換算すれば・・・あたかも一日の最後の30分に起こったことによって、それまでの23時間余りに経験したことをすべて忘れてしまったようなものである。

そして、続く文中に紹介されている「地図の見方」の一節には実にあっと思わせるものがあります。
もしも手元に世界地図や地球儀があるのなら、ぜひともそれを逆さまにして日本国を見つめてみてください。アジア・ユーラシア大陸に背を向けて太平洋の遠い彼方のアメリカ大陸に思いを馳せるているような日本ではなく、アジア大陸の一部分、ユーラシア大陸の端っこに突き出した半島のように日本が見えるのです。


どう見てもどう考えても日本はアジアの一国です。中国や韓国や東南アジア諸国やインドやロシアなどの国々とうまくやってゆくことがまずは先決のはずなのです。
前政権のもとで親米派以外がかなり弱体化された経緯があると聞いているので、世界戦略、外交交渉を担う役所、外務省の中身がいったいどうなっているのか、非常に心配です。


さあ、GWも中日の今日は憲法記念日なんですね。アジアの一員として日本は、この日本国憲法をどのように考えるべきなのでしょうか。