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独立FPの独白ブログ

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日銀は信用できるか

ライフプラン 読書

日本銀行は信用できるか (講談社現代新書)

日本銀行は信用できるか (講談社現代新書)

11年度物価プラスに・・日銀予想3年ぶり転換
日銀は30日の金融政策決定会合で、経済や景気の先行きを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめた。
2009年度の消費者物価指数(CPI)は、前年度比で1・6%の下落となったが、2010年度は0・5%の下落(高校授業料の無償化の影響を除く)まで下げ幅を縮小すると予測。2011年度は0・1%上昇と、3年ぶりにプラスに転換すると予想した。(5月1日:東京新聞) 

日本銀行という機関が日々どんなことをしているのかについて、知識を持っている、あるいは興味のある一般庶民はいったいどれほどいるでしょう? 上記の報道のように定期的に日本経済の状況についてコメントするのも業務のひとつですが、最も重要なお仕事は日本の金融政策を決定し実行することです。


通貨の供給量をコントロールする、金利をコントロールすることで金融市場をコントロールする。日本で唯一合法的にお金を発行できる機関です。日銀だけがお金を発行することができるというのは、一方で「お金を発行しないこともできる」ということです。
長期デフレからの脱却のために日銀が通貨を発行すべきであり、一定水準の物価上昇率を保ってゆくべきと主張する経済専門家も多く存在するのですが、日銀自身ははいわゆるインフレターゲット政策の実行には否定的なようです。
白川日銀総裁はこんなことを言っています↓ ↓

日銀総裁:インフレ目標政策「時代遅れ」
 主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議出席のため訪米中の白川方明・日銀総裁は22日、ニューヨークで講演し、物価安定だけを重視する政策が「時代遅れになっている」として、インフレ目標政策に否定的な考えを示した。
 菅直人副総理財務相は20日の衆院財務金融委員会で「プラス1%か2%程度を目標として、達成まで日銀も政府も共に努力することが望ましい」と発言しており、認識はすれ違っているようだ。(4月23日:毎日)

以前森永卓郎氏は「日銀はその商品であるところの貨幣の価値を下げたくないので、金利を上げたがり、供給量を増やしたがらないのではないか」と半分ジョークで語っていたが、本当にそう考えているのかもしれない・・・。


さて、日本の金融政策決定の権限を日銀は独占しているのか、政府とどのように話し合っているのか、そして、日銀という組織はどんな人たちによって運営されているのか・・。この本を読むと、それらの実態を知り愕然とするばかりです。


あらゆる分野、業界で官僚組織が張り巡らせた仕組みによって物事が決まってゆく日本の歪んだ構造。金融政策においてもその基本構造は変わらないようなのです。ほんとうにこんなことで良いのでしょうか。


たとえば歴代の日銀総裁のほとんどは「東大法学部卒」であるのはなぜか、そんなことはこの本で初めて知りました。
「異常なほどの長期間デフレを伴う景気低迷が続いている責任は日銀の無策にある」という意見は複数の経済専門家が発信していますが、それを堂々と表明する新聞テレビはほとんど見当たりません。これもおそらく「官」・「報」癒着構造の現れなのでしょうか。


ただ、現在の白川総裁は数少ない「経済学部出身者」です。ちょっと期待してしまうのですが・・・。