独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■どちらが誠意か


年末にアスクルから届いたコピー用紙は「古紙混合率30%」と言うことになっているのですが、実際はどうなんでしょう?


古紙の混合比率が表示よりも低かったことで製紙会社のトップの辞任にまで発展しています。古紙の比率が低いということは純粋な「紙の品質」は高いということですから、今回の製紙業界の表示偽装問題は食品表示偽装やら労働者請負偽装などとは少々事情は違うようです。


良くも悪くもウソはいかんとうことで、責任問題となるのは仕方が無いようですが、企業も色々大変ですね。例えばハンバーグで言えば「和牛と豚肉の合い挽き」のハンバーグと表示していたが、実は和牛100%でした。申し訳ありません、というハナシですからね。


しかし、品質といった場合に「紙の機能としての品質」だけではなく、「環境に対する影響という視点からの品質」も品質に含まれるというのが現代社会の避けられない現実だということをこの出来事で思い知らされるわけです。


そしてもっと問題なのは、環境に配慮しつつ品質を維持しようとすると、結果的に環境を害することがあるという矛盾が発生することです。古紙を混合して尚且つ紙質を一定水準に保つために、例えば白さを出すために多くの薬品を使用し、結果としてはCO2排出量が増えてしまうこともあるというのです。これぞ本末転倒です。


「環境対策をこのようにやっております」とアピールしているのに、実際はそうではないという偽装を行うことと、環境破壊大国アメリカのように「そんなことは到底できない」と居直ってしまうのと、どちらが正直なのかというなんだかよく分からない問題のようにも感じて、いやいや、環境問題は実に厄介です。


かつて経済成長と環境保全の問題を粘り強く工夫と努力を積み重ねて克服してきた実績をもつ日本が、世界の環境問題でリーダーシップを取るべき最有力な国のはずです。アメリカの尻尾に甘んじるのは早くやめて、ここに活路を見出して行こうではありませんか!とつい演説口調になってしまいそうです。
チャンスだと思うんですよね、本当に。