独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■強くなくても生きねばならぬ

所謂「ハードボイルド」小説はどちらかというと不得意分野です。ガキの頃からケンカといえばクチゲンカ程度の経験もほとんど無く、温和といえば聞こえは良いが基本的に弱虫な私なのです。アメリカなら「チキン・ハート」と罵られるのでしょう。


アクション映画の壮絶な殴り合いシーンや血がドバドバのシーンなどでも全身総毛立つようなこんな私なので、ハードボイルド小説は苦手ということなのです。それでもミステリファンを自称するからには、ハードボイルド小説の名作と言われている作品くらいは知っとかねばいかんと思い、時々読んでみたりするわけです。昨年読んだ「新宿鮫」なども結構ハードなシーンが多く、2冊目を買ってきたものの手が出ていない有様です。


ハードボイルドであっても、若干「半熟気味」というくらいの少し柔らか目のハードボイルドで、私にも親しめるシリーズも無くはないらしいのですが、そんなシリーズものを最近見つけました。昨年末に読んだ東直己著「探偵はバーにいる」はこんな「ヤワな」私にも楽しめるハードボイルド小説、「ススキノ探偵<俺>」シリーズの第一作です。


北国のあの町で育った妻のおかげで札幌は私にとっても自慢の故郷であり、その札幌を舞台にしたこの小説にはやはり特別な親近感を感じつつ読んだものです。そんなことから贔屓目に見てしまっていることを差し引いても、まあまあ楽しく読めて、他の作品も是非読んでみたいと素直に思えた第一作目でした。ただ、ハードボイルド小説では時々感じるのですが、やはり若干の「わざとらしさ」と感じてしまったこともあるので、この人の小説はもう一冊読んでみてからファンになるかどうか決めたいと思いました。

探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)

探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)