独立FPの独白ブログ

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■アレ〜変額も売るんですね?

生保各社、変額年金に相次ぎ参入・明治安田や第一など
 国内外の生命保険会社が、運用成績に応じて受取額が変わる「変額年金保険」に相次いで参入する。明治安田生命保険第一生命保険は今秋、それぞれ契約者が受け取る年金額を最低保証する新商品で本格参入。仏クレディ・アグリコル、独アリアンツなど外資系の参入計画も多い。銀行や証券会社との団塊世代の退職金の取り込み競争が激しくなりそうだ。
 変額年金は契約時に数百万円の保険料をまとめて払い、投資信託で10年間ほど運用した後に年金として資金を受け取ることが多い。投資信託の保険版ともいえる。銀行窓口が主な販売ルートだ。3月末の残高は15兆円弱だが、将来は約50兆円まで拡大するとの見方もあり、生保では数少ない成長分野だ。(9月6日 日本経済新聞)


最近までは変額年金などの変額商品は外資系生保の得意分野であり、歴史ある日本の大手生保はほとんど販売していなかったのですが、ここへきて急にどうしたことでしょう? 


大手生保はバブル期に銀行の営業マンと手を組んで、資産家に対して融資がらみで高額な変額保険を沢山販売しました。そして、バブル崩壊と共に表面化したその後の元本割れ(リスクの事前説明不足)などで多くの訴訟を起こされました。おそらくその後遺症もあってか変額商品は全くと言って良いほど販売していないはずです。


外資系生保の営業マンがある人に変額保険をお奨めしていると聞きつけると、某社の営業社員が「あれはアブナイ保険ですよ」と言ってのけたという話を最近も聞いた記憶があります。それが、一体どうして・・・・??


実は答えは簡単明瞭です。それは、銀行による生保の窓口販売がいよいよ本格的に解禁になるからです。そして、すでに銀行が数年前から手数料稼ぎに販売している変額年金が、今も売り上げを伸ばしているからです。
変額年金は入院給付金の支払いだとか保険料の領収だとかのメンテナンスもあまり無いし、購入した後は放っておいてもさほど問題にならないという点でも、銀行マンが片手間に売るには売りやすい商品なのでしょう。


とにかく銀行チャネルの変額年金販売の伸びは半端ではありません。生保の外務員のように尻を叩かなくても売ってくれそうだし、この機会を逃す手はないということでしょう。変額年金の販売には変額保険販売資格という通常の販売資格とは別の資格が必要ですが、銀行に売ってもらうのなら自前の販売員に教育して資格を取らせる必要も無いわけです。
銀行は相変わらず預金金利を上げることなく、販売手数料を手軽に稼げる投資信託や変額年金や一払い終身保険などを積極的に販売することでしょう。


世の中ではこのように、利害関係が一致すればこれまで一切無かった動きも突然出てくると言うわけです。販売する側の利害関係はまずまず一致するようですが、肝心の利用者、消費者の利益については、さあどうなっているのでしょうか? クレームが殖え続けているという情報もあります。


変額年金は「リスク商品」「投資商品」です。購入する前に「リスクとは何か」についての基本知識の習得が絶対に必要です。お仕着せの「勉強会」などではなく、自分で選んだ手段で自分で勉強してからにしましょうね。


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