WOWWOWで放映された志の輔落語インPARCOの録画を観ました。
マクラは「国家の品格」の主題である日本人の品格についての考察。志の輔さんの真面目さと知性が感じられる良いマクラでした。
私は日本人の品格ということについて理解するために最も役立つもののひとつが「落語」だと思っているので、ブログでも何度か取り上げてきました。
「柳田格之進」、「井戸の茶碗」、などは主に武士社会の常識(武士道)に根ざした品格が主題ですが、「文七元結」「唐茄子屋政談」などで感じるのは、一般の庶民の中にも結構浸透していたらしい普通の日本人の品格のことです。
庶民感覚の言葉にすれば「お天道様に申し訳が立たねえ」という感じ。これをマクラでうまく話してくれています。
たとえば電車の中で物を食べるとか化粧をするなどの行為は、法律違反ではなく、明確に他人を傷つけていることでもない、しかし「だけどさあ、やっぱりねえ・・・・」という類のことですよね、品というものは・・・というくだりには強く共感するものであります。
その、日本人の品格をテーマに据えた噺である「シジミ売り」は約50分の熱演です。不必要な志の輔さんドアップなどのカメラワークの奇妙さにさえ目をつぶれば、こんな濃密な高座をテレビで観られるのは、やはりワウワウさんに感謝すべきところでしょう。
志の輔落語inPARCOは今年も大成功ということですね。立派です。落語界発展のために志の輔さんは「悪声」をものともせずに頑張っています。拍手!!
ということで、正蔵師匠も税金ちゃんと払って頑張ってくださいね!!
志の輔らくごのごらく(3)「みどりの窓口」「しじみ売り」―「朝日名人会」ライヴシリーズ31
- アーティスト: 立川志の輔
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: CD
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(紹介しているCDは私は未聴であり、パルコの高座ではありませんし、マクラも多分違うと思いますのでご了承ください)