独立FPの独白ブログ

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■「チャンス」は名作か迷作か

  1. チャンス [DVD]

    チャンス [DVD]

どこにも行かないGWはせめて映画でも・・・というわけでDVDを借りてきては観ています。


社会とは、或いは世間というものは人間を成長させてくれるのか、はたまた人間を堕落させるだけなのか? 
人が社会で評価されるその根拠はいったい何なのか・・・。
そんな疑問を強烈なアイロニーを込めて我々に突きつける、チャンスとは不思議な映画です。


理由は良く分からないが幼い頃から数十年にわたってお屋敷の中だけで暮らし続けていた庭師のチャンスが雇い主の死によって突然、テレビでしか観たことのない世間に出てゆくことになった。


純真というべきか純粋無垢というのか、あるいはただ世間知らずというべきか、ともかく、まったく社会的にすれていない赤子のようなおじさんであるチャンスと、普通以上に頑張って社会的な高い地位を獲得している紳士淑女たちとのなんともズレた交流のかずかずに色々と考えさせられるような、または考えることなどないような・・・奇妙な気分を味わうことになりました。


普通の社会に普通に生きている我々が、その生活で身に着けている所謂常識とか礼儀作法とか分別といったものが、本当はどれほど意味のあることなのか、普通だと思っている日常をいつも無批判に過ごしている我々は、実は知らぬうちに思わぬ方向に向けってしまっている可能性があるのではないか・・・様々な疑問を投げかけられてしまう、実に妙な映画でありました。


・・それと、忘れてならないのは、この映画、徹底した政治家批判となっております。アホばっかりですし・・・。