独立FPの独白ブログ

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■タンス株が紙くずになる?

たんす株は231億株 日証協調査

 日本証券業協会は9日、個人投資家が自宅や銀行の貸金庫などで保管している「たんす株」が231億株に上るとの調査結果を発表した。自分の名義に書き換えをしないで放置した場合、平成21年1月に実施される株券の電子化に伴って株主の権利を失うケースがあるという。
 株券の電子化で現行の株券は廃止され、株券に記載された名義人のものとして電子登録される。特に親族から相続されたたんす株は死者の名義のままになっているケースが多く、書き換えが必要という。日証協は「証券会社に持ち込んで名義の書き換えを急いでほしい」と呼び掛けている。


お父さんが亡くなって相続が発生、財産を整理してみたら金庫から大量の株券が出てきた。そこでそれを証券会社に持ち込んだところ、この株券は有効ではありませんと言われて愕然とする。・・・というようなことが4年後の平成21年以降に起きる可能性がある訳ですね。多少の猶予期間や事情を勘案しての特例措置が設けられるとは思いますが、いづれはこの制度が完全に実行されるでしょうから要注意です。


ところで金融商品はその性質上、またその監督官庁がことなることなどの事情から種類によって取り扱いがまるで違っているのが現状です。上記の株式証券は今は基本的に記名式ですが、割引債のように無記名の債券というものがあります。今後の株式はすべて電子化されるのですから、株券という紙の現物は無くなりますが、登録をしていない段階ではこの紙を失くしてしまえば、権利を失うこともあります。


証券というと、生命保険や損害保険の保険証券を思い出す人もいるでしょうが、保険の証券はどんな扱いでしょうか。
実は生命保険も損害保険も、保険証券は有価証券ではありませんし、契約の証拠ということではなく、内容の確認のための資料といった位置づけと言えそうです。保険証券が無くなると権利も喪失するということはありません。
保険内容の変更手続きなどの際には保険証券の提出を求められることが多いですが、仮に紛失していても契約者の実印と印鑑証明を提出すれば手続きが可能ですし、すべての手続きについて保険証券の提出を求めない保険会社も存在します。


しかし、証券の提出が不要となってためにかえって不都合が生じる可能性もあります。たとえば、保険料の支払いがきつくなりある医療保険を解約したのに、数年後にはそのことをすっかり忘れしまっていた場合など、タンスの中に保険証券が残っていることで医療保険に加入中であると勘違いしてそのままでいる、などということがあるかも知れません。
保険でも有価証券でも、どのような形であれ契約の内容については自らがキチンと整理をし、内容も把握しておくという習慣が必要ですね。


とりあえず、株券の電子化については要注意、できるだけ早く登録などの手を打ったほうが良いでしょう。