独立FPの独白ブログ

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■戦略は罪悪か?!


「戦略」という言葉を肯定的に感じるか否定的に感じるかはかなり個人差があるように思えますが、日本人の場合は否定的に感じる人のほうがかなり多いのではないかと想像しています。
策略、計略、謀略、侵略などの言葉はすべて「悪」の印象しか浮かびませんね。


しかしながら、「戦略」と言った場合には、世界で生き抜くにはこれはどうしても必要なものと考えるべきでしょう。特に他者との利害を調整する場合には、必ず戦略を持って当たらなければ成功はありえません。仮に「策を弄することなく真正面から当たってみよう」というような場合であっても、それはよく現状認識を行った上で選択されたひとつの戦略であるとも言えるでしょう。


中国やら北朝鮮やらロシアやらアメリカやらと日本政府の様々な交渉ごと、つまり外交交渉のニュースを耳にするたびに「日本人は戦略なき国家なのではなかろうか」という一抹の不安に駆られるのは多分私だけではないでしょう。およそ外交という場においてはどのようなレベルにあっても、必ず練りに練られた戦略をもって当たって来ていると思いますが、日本サイドは実際どうなんでしょうか。もともと戦略というものから程遠い国民性なのか、戦略無き外交の経緯などに触れても国民からはさほど問題視されない傾向であるようにも見えます。


一昔前に日本人が「エコノミック・アニマル」などと呼ばれていた時代にあっては「日本人は何を考えているのか分からない」と評されていたものですが、よくよく考えてみれば、実は何も考えていないだけだったかも知れませんよ実際。付和雷同、一億総なんとやらが得意だし、皆がやっているから私も・・・というのはどう考えても戦略的ではありませんね。


戦略無き開国にはじまり(明治のころは結構戦略的だったかも知れないが??)、戦略無きままにズルズルと世界戦争に突入してしまった過去をもつ日本人の我々には、やみくもに捨て身で突進することを大和魂などと言って自画自賛するような傾向が今も厳然と残っているのではないでしょうか。正面からぶつかってさあ、それで駄目ならさあ、しょうがないじゃん、てな感じで。


でも、国のトップから巷の庶民までみんなが戦略性のない真正直なお人よしであり続けるというのも、この世知辛い地球で生き残るためのある種の戦略となりうるかも知れないなどと思うのですが、どうでしょうか。
周りに適応して生き残るための戦略として進化をし続ける生物が多い中、ほとんど進化という過程を経ていない動物がいると聞きます。シーラカンスカブトガニ、ゴキブリ、ムカシトカゲ・・・・そしてジャポネーゼ、ってことかしら、なんて。