- 出版社/メーカー: グラッソ(GRASSOC)
- 発売日: 2004/10/16
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学生時代〜サラリーマン時代を通じてほぼ完全に「ノンポリ」を通してきた私は、言ってみれば国民の敵であります。国民の敵ということは人類の敵でもあります。知らない、考えない、疑わない、は人間社会にとって犯罪行為と思っている次第ですので。(ただし選挙投票だけはサボったことは一度もないですよ!!)
近頃、そうした反省のもとに「民主主義」とか「資本主義」とか「自由主義」とか「共産主義」とか右翼とか左翼とか天皇陛下とか靖国とかについて、遅ればせながらも少しづつ勉強し始めた私なのですが、ふと思いだして見てみたのがドイツ映画の「グッバイ・レーニン」です。
ベルリンの壁崩壊直後のある家庭に起こる出来事と家族同士の特に母と子の関係を中心にして、当時の市民の動揺や希望や虚無感などを描いたドラマでした。
母親はある時期から社会主義体制に身も心も捧げて来た(ように見える)模範的市民でしたが、たまたま体制崩壊の直前に心臓病に倒れ、8ヶ月も昏睡状態が続いていたために東ドイツが無くなってしまったことを知りません。その母親に、息子のアレックスは宣告された余命を全うするまでの間、国家崩壊の事実を隠し通そうとして奔走します。SFのような設定とコメディのような展開の、しかし結構感動ドラマでもある不思議な非ハリウッド的映画です。
私の感覚では母に真実を告げるのが、過去には亡命も計画したという母へ本当の愛情と感じましたが、そう思うのは私がこちら側にいる人間だからかも知れませんので、よく分かりません。
息子は社会主義国家の更なる発展を謳ったウソのニュース番組を友人と共同で制作します。
そのニュースを母親に見せている息子の満足げな横顔を、じっと見詰めていた母親は、おそらく全てを悟った上で、息子の純な愛情を母の思いやりをもって受け止め、気付かぬ振りをしていたのでしょう。
「〜主義」とはそもそも誰のためにあるのか、「〜主義」同士の争いがどれだけの人間を苦しめてきたのか、政治とは一体何か、大いに虚しさと悲しさと向け先の分からない憤りを感じてしまった映画でした。
・・・そういえば、今日は母の誕生日でした。来週会いに行かねば・・・。