独立FPの独白ブログ

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■ファンドって何?

辞書的に言えば「ファンド」とは基金、資金、運用資金、つまり多数の者からある目的をもって集められた資金の集まり・・・ということです。
現実の金融の世界においては、運用して殖やすことを目的に投資家のお金を集めた投資ファンドというのがもっとも代表的ということなるでしょう。


ファンドの運営者はその目的の達成のために最大限の努力をすることでその報酬を得ますから、ファンドの性格はそのファンドへの投資家の性格を反映するはずです。
ファンドの目的が長期的視点に立って年金などの老後資金を確実に殖やして欲しいと望むなら、そのファンドの運用者は基本的に長期安定運用を目指すでしょう。また、リスクを負ってでも、単年度ごとに出来る限りの高い収益を上げて欲しいと望むなら、そうした運用方針となるでしょう。


ここ数日で急転直下、この世界からの退場することになった村上氏のファンドは、あのようなギリギリの(時に違法となるほどにギリギリの)あらゆる手段で、短期的な収益獲得を目指す投資家がそのファンドを構成しているのでしょう。(メンバーの詳細はまったく知りませんが)


私心ながら、信頼できそうな長期投資のファンドがほとんど無いと思われる日本の個人向けファンドで、私が唯一信じられると思っているのは「澤上ファンド」ですが、そのファンド(投資信託)の申込みの資料の冒頭にはこのように記されています。

このファンドはサラリーマン家庭の財産作りを長期運用でお手伝いするものです。長期運用という航海を共に乗り越えてゆくためには、長期運用という同一航路の船客だけに乗り込んで頂きたいのです。日々の出来事に一喜一憂したり目先の成績にこだわる船客は船の進行を邪魔するのみならず他の乗客にも迷惑となります。皆様ご一緒に良い航海を致しましょう


村上ファンドは個人向けの所謂投資信託ではありませんが、投資について信じて託すという意味では同じことです。投資家は運用のプロを信じて、その投資を任せるのであって、その行為自体については間接的に社会的な責任があるはずです。
このファンドの投資家が実際にどんな人達なのか知りませんが、今の事態についてどのように置けとめているのか意見をお聞きしてみたいものです。
日本語は話せない人ばかりかも・・・。


「資本主義において株式会社は株主のもの」ということを、ここ数年のあいだに初めて認識させられている遅れている日本人にとって、ライブドア事件とこの村上ファンド事件は、日本人に対して、あなたの国の基本的な成り立ちについて、そろそろ真剣に考えなさいよ、という提言を投げかけているように感じます。(私は会社が株主のものだとは思いませんが)


資本主義について、民主主義について、憲法について、そして個人と国家の関係についてなど、社会の基本事項についての日本人のあまりの無知ブリをさらけ出す効果において、ホリエモンとムラカミドンには大いに感謝しなければならないと思います。