独立FPの独白ブログ

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■アフターケアこそ成功の黄金律

生命保険の契約者貸付の手続きで訪問したお客様と色々と会話をしているうちに、「あれ、鯵坂さん火災保険もやってるんだっけ?」ということになりました。もちろん損害保険を始めた当初にご案内もしているし、話したことは何度かあるのですが、その方の意識に上ったのは今日が初めてだったのでしょう。


火災保険の保険証券を封筒ごと引き出しから引っ張り出し、満期近くなったら連絡してよ、あなたの方に変えるからさ、ということになりました。
このお客様とのお付き合いはもう17年にもなり、10年ほど前に結婚したお嬢さんから生命保険の契約を頂いたりはしているのですが、ご本人(ご夫婦)の保険はどちらかと言えば減額したり解約したり今回のように貸付の手続きをしたり、という具合に、追加契約はなくメンテナンスばかりとなっています。


生保の営業社員や代理店の役割は、契約時の適切なアドバイスは当然のことながら、契約後の様々な手続きを不備なくスムースに行えるようにすることでもあります。
しかし、現実にはこうした「保全の手続き」では営業担当にとっては儲けにならないようになっており、そうした仕事をあまりキチンとやらない営業マンも多いのは悲しい現実です。


損害保険は1年契約が多いために、色々な手続きで顧客と接触することが1年以内に訪れる契約更新を確実にするという明確な営業上のメリットがあります。しかし、長期契約が殆どである生命保険は一度契約をするとその人からの新規の契約はなかなか望めず、したがって、契約をもらって以降はつい足が遠のくというけしからん状態になることも多いのです。


しかし、本当の生命保険のプロは、実はこうしたメンテナンス業務をとても大事にします。担当者の本来の役割からして保全業務が重要であることに加えて、担当者自身にとっても、自分の存在意義をお客様に再確認して頂くチャンスでもある訳ですので、直接には収入にならないこれらの仕事を積極的にキチンとこなすのです。


もう随分前のことですが、減額、払い済み、解約などの保全業務だけで何度も足を運んでいたある会社の社長さんから、「色々すまないねえ、今度私の友人を紹介するよ」というお話しを戴き、そのご紹介から、私自身の最高記録となる高額の契約に結びついたことを思い出しました。

業種を問わず、すべてのセールスマンは契約成立後のアフターケアにこそ真価が問われるものと自覚すべきでしょう。