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損保でも不払いで処分

新聞によると、損害保険業界で保険金の不払いが大量に発生していた問題で、金融庁は近く数社に対して業務改善命令を出す方針を固めたそうです。 国内損保18社と外国系損保数社が自社の調査で不払い実態を公表しており、これらの社が処分の主な対象になる見通しのようです。


各社の調べでは、不払いは自動車保険や火災保険など多岐にわたっており、保険の本体に加えた「特約」部分で保険金を払わない例が大半だそうで、各社は「事務的ミスやチェック体制の不備で支払いが漏れた」と釈明しているとのこと。


この問題を自分の保険ビジネスの日常業務に当てはめて考えて見ると、確かに危ない面がありそうです。
例えば、自動車保険で人身傷害補償特約を付けているケースは少なくないのですが、この特約にも色々と種類があり、自動車事故ではなく日常的な突発事故やスポーツ中のケガの補償も対象とするものもあるのです。 単体としても販売される傷害保険が自動車保険にくっついているというイメージです。


契約者は自動車保険に加入していることはわかっていても、日常のケガの補償まで付加していることをうっかり忘れてしまっていることは充分考えられます。 担当代理店がいかに親切な代理店であるとしても、お客さんご家族の身に起こることを常に把握しているというのは不可能です。 毎月一度はお客さんに「ご無事ですか」と電話をしていればそうしたことも把握可能かもしれませんが、正直なところ、そこまではできません。


しかし、毎月のコンタクトは無理だとしても、例えば年に一度はご挨拶がてらに会うなり電話するなりしてコミュニケーションを図るべきでしょう。 そして、その際に保障内容を確認するような習慣になっていれば、契約者サイドも自分の保険の内容を思い起こす機会が増えるでしょうし、家族に何か不測の事態が発生した場合にはとりあえず保険屋さんに連絡しようという発想が浮かぶでしょう。 そうすれば、保険金の請求もれや保障内容の誤解などは少しは減るでしょう。


どんなに綿密にシステムを構築したとしても、やはり運用する人間の感性、誠意、そして日頃のコミュニケーションがものを言うのだと思います。

生命保険に続いて明らかになった損害保険の不払い問題を戒めとして、我々の役割をあらためて考えさせられた次第です。



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