独立FPの独白ブログ

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保険のCMって危ないと思いますよ

保険のCMでは、一歩間違えるればまるで詐欺的表現と言われかねないような広告表現に出会うことがあります。 先日ラジオで聞いたある医療保険のCMも、私の感覚ではそんな危ない広告でした。
曰く、


●日本人は世界有数の長寿国、もしもあなたが90歳の時に病気などで入院をした時、何も保険に入っていなかったらと思うと心配ではありませんか。
●そんなあなたに、今日は心強い医療保険をご紹介しましょう。
●この医療保険は保険期間は10年ですが、自動更新型です。
●10年後にもしも健康状態に不安があっても自動的に契約が更新となり、90歳まで保障が継続できます。
●入院したら一日あたり1万5千円、手術したら15万円の給付金が・・・と保障額の説明の後で、例えば40歳の男性の保険料は一日あたり150円とお手頃・・・という感じで続くのです。 (詳細は覚えていませんが、大体こんな主旨でした)


私は思わず「ええええっっ」と声を上げてしまいました。
長期的な保険はもう少しあとで考えるとして、とりあえず現在の保障を安いコストで確保したいと思っている人に対してのお勧めならこれも理解できます。しかし90歳での入院に不安を感じているひとに対して、わざわざ10年定期更新型の、しかも90歳で保障が切れる医療保険を勧めるというのはちょっとおかしいと思いませんか。私なら、こういう人には間違いなく終身の医療保険をご提示します。(少なくとも選択肢に含めます)


このCMを聞いて医療保険に入ろうと思い立ったひとも、実際の契約の前に説明書類の文言や契約約款を理解して契約するので、問題は無いと保険会社は言うでしょう。
しかし、どう考えても、保険加入の動機付け目的の情報と、紹介する商品との適合性には疑問を持たざるを得ません。


消費者がCMの影響でどんなイメージをもっていたとしても、それは自己責任ということになるのでしょうか。 CMは見たものが何らかのイメージを強く残すように作られています。 全ての消費者はフィナンシャルリテラシーを身につけて、植え付けられた印象ではなく、必要な情報を自分の手で入手した上で、冷静に判断する力を持たなければなりません。


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