独立FPの独白ブログ

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コロナ禍に考える:日本国憲法

5月3日は憲法記念日!今年の憲法記念日はウイルス禍の危機的状況にある私たちにとって、例年以上に「日本国憲法の意義」について考えるチャンスではないかと思います。我ら国民が困難な状況に陥ったとき国は守ってくれるのか、という素朴な疑問を多くの国民が胸に抱いているこの時期だからです。
自国製憲法の制定をと主張して憲法改正を目指す自民党とその周辺。議論は必要だが拙速な改正はいかんと言い続ける野党各党。


ふと思い立ち、おそらく正反対の主張だろうと思われる毎日新聞産経新聞の社説を読んでみました。
《毎日社説からの抜粋》・・・緊急事態条項は一歩間違えれば、基本的人権の尊重など憲法の大事な原則を毀損(きそん)する「劇薬」にもなる。
mainichi.jp


産経新聞社説から抜粋》・・・憲法には緊急事態条項が必要だ。前もって法律で具体的に準備しきれないような広範かつ甚大な災害への備えだからである。
www.sankei.com

では国民はどうか・・。
直近のNHK世論調査結果は「改正が必要」が32%で「改正は必要ない」が24%「どちらともいえない」が41%とのことです。NHKによると一昨年の結果は「必要」が29%「必要はない」が27%と賛否がきっ抗していたが今回は「必要」が「必要はない」を上回まった。その理由については「日本を取りまく安全保障環境の変化に対応するため必要だから」が50%と最も多いのだそうです。
しかし私は「どちらとも言えない」が最も多くて41%ということの方が重要だと思いますが、いかがでしょうか?
要するに「よくわからん」が多くの国民の本音ではないのかな・・・このホームステイウイークに、そうだ記念日だから憲法について考えよう! と思う国民はどれほどいるのか・・・??


私は以前から憲法改正の議論はするべきだと考えています。なぜなら、日本の統治機構の在り方を色々知るにつけあまりにも憲法がないがしろにされていると思うから。また、国民自身が憲法によって自らの権利や自由を守ろうという意識があまりにも無いように思うからです。だから、憲法についての議論をするため、憲法についてきちんと向き合うところからスタートするべきと思うからです。そして、今の政府、今の国会議員、今の市民の状況では、実際に改正を行うのは不可能だとも思っています。
だってみんなよくわかっていないでしょ! ということです。


少し虚しさを覚えたとき、この話、以前にも書いたような気がするなと思った。そう、9年前に日本が大震災と津波放射能に怯えたあの年だ。2011年の憲法記念日の拙ブログを振り返ってみると・・・・・
「今年の憲法記念日はこれまでになく「普通の国民が憲法を意識する絶好の機会」ではないかとも思います。」と記していました。その後しばらくの間、そして数年後の有事法制問題の際には、憲法学者の発言などが注目されたり関連書籍の出版などで多少の盛り上がりはあったものの、我ら一般庶民が憲法と一層向き合うようになったかというと、どうもそうは思えません。国会議員と僕ら国民とどっちが大切だと思っているのだ!とか、こんな時に庶民を救うことが最優先だろうが!と怒ったとしても、このコロナ禍が収まった数年後には、またいつものとおり日本人はこの経験をすっかり忘れてしまいそうです。

憲法を全く読んだことがないという方が居られたら、とりあえず次の条文だけを心に留めていてほしいと思います。
◆25条の1:すべて国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。
◆99条:天皇または摂政および国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。


これが日本国憲法の真髄、国家が国民を縛るための道具でなく、国家権力を律するのが現代の憲法なのですから。