独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

親の介護体験記(2:偕老同穴~仲良し老夫婦ゆえの悩ましさ)

父は大手メーカーの営業職を長年勤めたサラリーマンであり、昭和の高度経済成長期の企業戦士として生きた所謂会社人間の一人でした。出張や単身赴任でほとんど家にはおらず、東京勤務の時代も接待やらなんやらで毎晩飲んで帰る日々。土日や夏休みなどの時期を含めても、子供のころの私には父親と遊んだという記憶が一切なく、高校1年の時に「仕事とは何だろうか?家族とは何だろう?」という作文を私は書いたものでした。

そんな会社人間だった父は定年退職してからは、家のことを全て任せきりだった母への懺悔の気持ちが強まったらしく、それまで一切したことがなかった家事の手伝いをするようになりました。そのことは勿論よろこばしいことなのですが、父の場合は少々行き過ぎがあり、食事の用意を除いた一切の家事諸般を父が賄うようになりました。
その結果、母は少しづつですが、色々なことを自分で出来なくなって行ったのでした。

きつい言い方をすれば父は若い時の罪滅ぼしのつもりで殆どの家事雑事を仕切るようになり、母から仕事を取り上げてしまって、結果として母の認知度低下につながったとも言えるのです。夫婦の協力関係のバランスはなかなか難しいものなんですね。
仕事や趣味や休息についての時間配分やバランスは人それぞれ異なります。お互いの時間の使い方を理解して、束縛せず、無関心にならず、思いやりをもって上手に協力関係を築くことが大切なことを、私は両親から学びました。