あまりメジャーとは思えない「父の日」は6月の第三日曜日らしい。
父の日で思い出したのは高田渡さんの初期の傑作「系図」です。
♪ 僕がこの世にやってきた夜
おふくろはめちゃくちゃに嬉しがり
親父はうろたえて質屋に走り
それから酒屋をたたき起した
その酒を飲み終えるやいなや
親父は一生懸命
ねじり鉢巻き死ぬほど働いて
死ぬほど働いてそのとおりくたばった ♪
・・・小説の書きだしのような、しみじみしたいい唄です。
次に浮かぶのは、吉田拓郎さんの「おやじの唄」
♪ おやじがすべてだなんて 言いませんよ
ぼくひとりでやった事だって沢山ありましたよ
一つだけ言ってみたいのは
おやじが人を疑うことを教えてくれたこと
おやじは悲しいくらいに強い人でしたよ
(人を裏切ることを教えてくれた
人を愛することを教えてくれた
生きるということを教えてくれた)
(その親父は誰にも見られずに死んだ・・そして最後の歌詞は・・・)
♪ 死んでやっと僕の胸を熱くさせてくれましたよ
・・・拓郎さん自作の歌詞です。
次に思い出したのが(すべてが古いなあ・・・)陽水さんの「人生が二度あれば」
♪ 父は今年二月で六十五
顔のしわは増えてゆくばかり
仕事に追われてこのごろやっとゆとりが出来た
♪ 父の湯呑み茶碗は欠けている
それにお茶を入れて飲んでいる
湯飲みに写る 自分の顔をじっと見ている
人生が二度あれば この人生が二度あれば・・・・・
・・・それぞれ天才シンガーが若い時に、それぞれの父親を思いつつ唄ったことでしょう。
様々な思いを込めて。
そして、渡さんは、その歌詞のとおりくたばってしまい、拓郎さんと陽水さんは、ご自身が親父さんの年齢を超えて現役で活躍中です。
なんてことを思いつつニュースを見れば、父の日にもらってうれしいものアンケートというのがあった。
その結果、第1位の食事、2位のお酒類に続く3位は・・・「メールや手紙をもらうこと」なのだそうです。
男ってのはかなりのロマンチストなのかも??
あるいは、♪ おやじはみじめなくらいに一人ぼっち(詩:拓郎さん) なのかしら・・・