独立FPの独白ブログ

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広島で思ったこと・戦後70年

地方に仕事で出張する機会には出来るだけ「観光」をするように心がけています。経費自腹の出張なのだから、旅費を最大限に有効利用したいのです。
昨年の秋に広島に出張した際には原爆ドーム平和記念公園原爆資料館も見学しました。

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そのあと宮島を訪れて沢山の観光客と共に厳島神社も参拝し、宮島名産アナゴ飯を頂き、瀬戸内海の香りを感じつつフェリーにも乗船。広島の2つの世界遺産を観光して完璧だあと言いたいところだったのですが・・・・

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・・・ところが、実は非常に重要なアイテムを忘れていたのです。
それは「広島名物・お好み焼き」でした。

そこで今年4月に再度広島に行った時には、仕事を終えたら必ずお好み焼きを食べるのだあ!!と決めておりました。夕方ホテルに荷物を置いて、すぐさま広島駅前のお好み焼き屋さんが沢山集まっている場所を目指しました。
しかしその途上でふと通りかかった小さなお店の中に視線を向けると、なんとなくお店の中のおじさんと目が合いました。何かを感じて私はその店に吸い込まれて行ったのです。

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そうして入ったお好み焼き屋さんのお客はまだ早い時間なので私一人です。鮮やかな手さばきで鉄板焼きを作るご主人を独占し、カキ焼き、がんす、定番お好み焼きと、まことに絵になる職人技もおつまみに加え、ビール、日本酒、焼酎とすいすいと頂いてしまったのでした。負け続ける広島カープの愚痴などを聞きながら、満腹にして大満足の90分で4200円は高くありません。昨年の後悔も埋めて余りある至福の夕刻でありました。

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 格安の出張パックでは、予定変更があっても乗車する新幹線は変えられません。そんな事情で翌日は4時間ほど空いていましたので、前夜のお好み焼き屋さんのお勧めに従って呉に行くことにしました。

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 呉港は戦艦大和が建造されたことでも有名なかつての軍港で、現在は海上自衛隊の基地もあります。海上自衛隊の資料館に展示されている潜水艦にまずはビックリ。
そして隣接する呉観光の目玉のひとつ、開館10周年を迎えたという「大和ミュージアム」に展示されているのが1/10スケールの戦艦大和です。子供時代に何隻か作ったプラモデルはおそらく1/500スケールくらいだったのでしょう。まあしかし、この展示モデルはやはりデカイ!

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戦艦大和を背景に写真を撮ってくれと頼まれて、日本製の高そうな一眼レフカメラで(おそらく中国系の)観光客の写真を撮ってあげながら、なにか不思議な感覚に襲われたが、この中国系の人も、私も、館内の案内のスタッフも全員戦争未経験者なのだ。

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基本的に殺人目的の恐ろしい武器にすぎないはずなのに、戦艦大和とかゼロ戦とかは何故にこんなに「カッコイイ」のだろうか? 子供時代にはただ単に見た目がカッコイイと感じていただけの大和やゼロ戦や潜水艦について、戦争絶対反対と思っている大人の自分がやはり、「カッコイイ」と感じる・・・人間って不思議です。というよりもこれは、古代から狩りのDNAを引き継ぐ「男」特有の感性なんだろうか。

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呉観光を終えて、フェリー→路面電車→徒歩で広島駅に向かう道すがら原爆ドームを思い出す。広島市内に沢山ある川には、原爆の熱線に焼かれた身体を冷やそうと必死なって多くの市民が飛び込んだのだ。その同じ川のほとりの歩道を歩いていると、地面に埋め込まれた金属板の文字に目を奪われた。

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「平和を守るための戦い」という大いなるそして永久に解けないかもしれない矛盾について、人類の英知を結集して挑み続けることでしか、「平和の道」は歩めないのではないだろうか? 
平和ってなんだろう・・・戦後70年の節目の今年、他人ごとではないということをしっかりと自覚しなければと、思いをあらたにした広島観光となりました。

日本人なら、広島、長崎、福島、そして沖縄を忘れてはいけないのです。