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独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

健康について考える~2

メタボの常識・非常識―健康な人を「異常」にする日本だけのシステム (ブルーバックス)

メタボの常識・非常識―健康な人を「異常」にする日本だけのシステム (ブルーバックス)

 3年半前に自宅内筋トレを始めて以来、自分の身体のことと健康について強く意識するようになり、健康関連情報にはかなり敏感になりました。新聞広告、テレビCM、通販情報、本屋さんと、あらゆる場所で耳に、目に入ってまいります。
日本は長寿国ということもあるからか、巷では健康関連情報があふれており、本屋さんへ行けば「健康に関する書籍、雑誌」が所狭しと並んでいます。


健康という括りの中でも特に情報量が多いのが「ダイエット」ではないでしょうか?
一日5分でみるみる痩せる、腹だけ痩せる、顔だけ痩せる、骨盤で痩せる、脚から痩せる、巻くだけで痩せる、読むだけで痩せる、聴くだけで痩せる、描くだけで痩せる、温めて痩せる、酒をやめずに痩せる、腹いっぱい食べて痩せる・・・・とキリがありません。
アマゾンの書籍コーナーで「やせる」で検索したら620件ほどヒットしましたよ。
それだけ「痩せたい」という欲求を持つ日本人が多いのでしょうけれど、その原因のひとつとして大いに役割を果たしているのが《メタボ》~メタボリック・シンドロームという概念の定着ではないでしょうか。


私自身も昨年の市の健康診断の結果から「メタボリックシンドローム予備群」という栄誉を与えられました。検診の日、たまたま血圧が少々高めだったことと、腹囲が最大基準値より2センチ余り上回っていたことがその理由です。予備群に認定された私が受けるべき指導は「動機づけ支援」なのだそうで、資料には、
「自分の生活習慣の改善点や実践してゆく行動などに気づき、自らの目標を設定し、行動に移すことのできるような支援」と書かれています。
大変ありがたいご指摘であり、こんな大した問題も無い私などを対象にしていただき、ご丁寧に動機づけをしてくださるとは、なんという親切なことだろうと感動するばかりの私です。
しかし私はこの支援、指導を受けに行く予定は今のところありません。


生活習慣病で治療が必要になる前に、その危険因子を把握して芽を摘んでおく、所謂「予防医学」の考え方について私は大いに賛同するものですし、日本の医療費用の増大を少しでも抑制する方策として「病気の予防」は非常に大切だと思います。
しかし、その具体策として作られたこのメタボ施策には以前から疑問に思うところがあるのです。
メタボと判定する現在の指標は腹囲、血圧、血中脂肪、血糖値などです。そのうち、腹囲の基準値はは男性85センチ、女性88センチとなっていて、これを超える人は内臓脂肪の蓄積が疑われるということなっています。


この腹囲の基準は身長と無関係らしいのだが、それは何故なのだろうか?
身長が160センチの男性の腹囲が85センチならメタボではなく、173センチの私の腹囲が86センチならメタボ判定となる、どうもおかしいのではないかとずっと思っていたところ、一冊の本に出会いました。
以前に読んで大変感銘を受けた「がん治療、常識・非常識」の著者でもあるジャーナリスト、田中秀一さんのこの本のサブタイトルは《健康な人を「異常」にする日本だけのシステム》
です。そして、帯にはこう書かれています。《疑問だらけの日本の「メタボ」を検証する!なぜ身長に関係なく腹囲で決められるのか?診断基準から検診の実効性まで、厚労省が提唱する「メタボ」にまつわる多くの疑問を俊英ジャーナリストが緻密に検証!》


何といってもブルーバック新書として発行されているのですから、この本は科学的な本なのです。医学も、当然予防医学も「科学の世界の一分野」であるはずですが、厚生労働省が打ち出したメタボリックシンドローム対策と言う施策は本当に科学的なのだろうか??・・・実は大いに疑問があるのだ、というのが基本的なアプローチの姿勢です。


世界に誇る最先端の知識、知見と科学技術を結集したクリーンで安全で効率的なエネルギー、原子力発電! というのが実際にはまったく非科学的であったことが明白になってしまった日本に住む者としては、メタボは実は非科学的、という指摘にもはや驚くことはないのです。
ははあ、この分野でもそういうこと、あるんだろうなあと読む前から納得してしまう悲しい私でしたが、この本、やはり読んで良かったです。


最近、メタボ基準はおかしいという指摘があちこちでなされた結果、たとえば「小太り体型の方が長生きだ」というようなことを言う人も多くなってきたように思います。ダイエットブームを煽る大きな原因である「メタボ」について興味ある方に、ダイエット本を読む前にこちらをお勧めします。