独立FPの独白ブログ

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日々限界に挑む歌舞伎役者の存在

歌舞伎役者 市川団十郎さん密葬
3日、66歳で死去した歌舞伎俳優、市川団十郎さんの密葬が6日午後、東京都目黒区の自宅で営まれ、親族や関係者ら約400人が、おおらかで誰からも愛された故人をしのんだ。
(時事通信 2月6日)

今週初め、歌舞伎界からの悲報にまたか、と驚きました。
白血病が発症して以来およそ9年間病気と闘いながら、いつもお元気な姿で舞台を彩り続けた大俳優もついに亡くなられてしまいました。残念です。


私がふとしたきっかけで歌舞伎を初めて鑑賞したのは平成元年のころでした。市川猿之助(現在は市川猿翁)率いる猿之助一門による演目でしたが、その美しさと楽しさに心を奪われ、それ以来時々歌舞伎座に足を運ぶようになりました。私にとっては初めての歌舞伎体験が非常に親しみやすい演目と役者さんだったことの幸運に感謝しています。


その猿之助さんはその後脳出血に倒れ、現在も後遺症が残っていてあの頃の姿ではありません。昨年、猿翁さんの実子で俳優の香川照之さんが40歳代で歌舞伎界に入るという異例の出来事に驚かれされましたが、その経緯を追ったドキュメンタリー番組に涙したものでした。


年末には子供のころから見ていたあの中村勘三郎さんが急死し、ああまたひとりいなくなってしまったと思っていた矢先でした。私のような歌舞伎初心者でも十分に楽しめる親しみやすさと、研ぎ澄まされた芸をしっかりと伝承し続けてきた大俳優の相次ぐ悲報を受けて本当に残念です。


折しも銀座の歌舞伎座が新しく生まれ変わり、こけら落としの舞台を大いに盛り上げる予定だった団十郎、勘三郎の巨星を一度に失ってしまい、歌舞伎界はさすがにみなさん元気がないという話も聞きますし、一部では「歌舞伎座の呪い」が話題になっているそうです。


わたしは歌舞伎座に数回足を運んだにすぎないにわかファンですが、勘三郎さん、団十郎さんともにその舞台をこの目で観ることのできた幸運に感謝するばかりです。ご冥福をお祈りします。