独立FPの独白ブログ

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『分散』はリスク対策の第一歩(序)

FPとしての私の専門は「家計のリスク対策」です。国家の安全保障上のリスクを語る資格はありませんが「リスク対策の原理原則」については分野を超えて共通なものも多いはずです。
リスクを軽減しようとする場合の最も基本的な対応策は「分散」という考え方です。このところ日本で次々と発生している様々な問題の多くは「分散」ができていないこと、「過度な集中」に原因がある場合が少なくないように思います。


例えば大震災からの復旧、復興に水を差し続けている原発事故のことを思うと、つくづく過度な集中の危うさを認識させられます。
国民生活、経済活動の中で重要な資源である電力を、各地域ごとに巨大企業が一社で独占している状態です。発電事業、送電事業ともに独占企業に集中している状況は、まさしくリスク分散がなされていない危険な状態です。
この状況が長年続いたことが日本(・・の国民)にとって不幸であったことは、今何が起きているかを見れば明らかです。


今後日本で展開されてゆくと思われる「脱原発自然エネルギー推進」への流れは、単に「怖い原発はもうやめて」という感情的反応ということではなく、「重厚長大なシステムへの過剰な集中的依存」からの脱却という考え方が底流とされているべきものだと思うのです。


「リスクの分散」という視点で幾つかの出来事を見てみようと思います。