独立FPの独白ブログ

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久しぶりの定番ミステリ

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

2月に超人気SFロングセラー「夏への扉」の新訳本を読み、ああやはりいいものはいいなあと実感したのですが、同時に以前に読んだり見たりした小説や映画も、実はその内容はかなり忘れていることにも気付いたわけなのです。


そこで、私がもう一度読みたい定番もののトップであるウイリアム・アイリッシュの「幻の女」を再読しました。早川ミステリの「ミステリ・ハンドブック」で全ジャンル総合第一位に輝く不倒の定番サスペンス小説です。


舞台は5月のニューヨーク、第一章は「死刑執行前150日」で始まるタイムリミットサスペンスです。江戸川乱歩も熱狂したというこの小説は1942年の作品ですからこれはもうミステリの古典と読んでもよいでしょうが、古さを感じることはほとんどなくスピード感も十分ながら、重厚感もある展開で飽きることなく最後まで読めました。
稲葉明雄さんの翻訳も大変素敵な文体で、翻訳ものにありがちな文章やセリフ回しの違和感もありません。早川ミステリ一番人気なので当然ですが、お勧めです!