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SFファン必携!

新・SFハンドブック (ハヤカワ文庫SF)

新・SFハンドブック (ハヤカワ文庫SF)

早川ミステリ文庫に「SFハンドブック」というありがたいガイドブックがありますが、その最新版(もう9年前ですが)である2001年発行の「新・SFハンドブック」と共に私の本棚に並んでいます。
SF作家、評論家およびSFマガジン読者の合計300人余りのアンケート投票によって選ばれたSF小説のランキングと解説本です。


SFファンを自称する人なら多分誰もが読んでいると思われるこのガイド本の巻頭を飾っているのが、「オールタイムベスト100」です。60年代ベスト10、70年代ベスト10などの年代別ランクとは別にすべての年代を通じてのランキングです。上記2冊のハンドブックともにベスト1に輝いたのは、ハインライン作の超・定番「夏への扉」です。もちろん人には色々と好みがあるでしょうけれど、この作品がいつでもトップということについては私も大賛同なのです。


新・SFハンドブックのベスト5を挙げてみると・・・
1:夏への扉
2:火星年代記
3:ソラリスの陽のもとに
4:虎よ、虎よ!
5:幼年期の終わり


夏への扉は何度も言ってますが、私にとっても文句なしのSFベスト1です。火星年代記は昨年途中まで読んで、ちょっと気分が乗らないため中断してます。幼年期の終わりは、なんで今まで読まなかったのかと後悔したくらいの素晴らしさでした。
さて、残る2作品は以前からずっとずっと読みたいと思っていたのですが、ようやく念願かない読むことになりました。
ところが期待が大きすぎたこともあるかも知れませが・・この2冊、読み終えるのに少々苦労をしたのでした。


海外作品を読む時の宿命は、翻訳のクセが気になってしまう場合があることです。翻訳のうまい下手を論じる才は私にはありませんが、訳し方のクセのようなものについて感性が合うか合わないかということは、場合によっては深刻なこともあります。
「虎よ!」と「ソラリス…」の2冊はその翻訳の雰囲気が私にとって何か違和感があり、どうもそのことが気になりながら読んでしまい、物語に入り込めなかったのでした。


しかしながら、アマゾンの書評などではこれらの翻訳が良くないというものは皆無でしたし、それどころか(3)については「非常にすぐれた訳業」とまで書いてあったりするのです。やはり、私には文才がないか或いは言語感覚がおかしいのかも知れません。


そんなことを考えながら、アマゾンを覗いていて「夏への扉」の新訳本が出ていることを知りました。
数年前にアガサ・クリスティのある代表作の新訳を読んでがっかりした私ですが、とても読みやすい福島正実訳の旧版に勝るとも劣らぬ出来だと高評価の新刊「夏への扉」は、是非ともこの夏までには読んでみようと少しワクワクするのです。