独立FPの独白ブログ

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不思議なふしぎなフシギな「日本語」

テレビのバラエティ番組を大きく分類すれば「ニュースつまみ食い系」「芸能界裏事情暴露系」「ゲーム系」「お笑いネタ系」「クイズ系」などになるでしょうか。特にここ数年ゴールデンタイムで目立つのは「クイズ系番組」であり、その中身として漢字の読み書きや意味を問う「日本語問題」が常にしっかりと重要な位置を占めていますね。
昨年の「日本漢字能力検定協会」の不正事件発覚後も日本語・漢字ブームは終わりそうにありません。TV局の工夫不足ということはさておいて、多くの国民が自国の言語についてあらためて興味をもつことは大変良いことだと思います。


先日紹介した内田樹氏の「日本辺境論」の内容で「目からウロコ」と感じたトピックのひとつに「日本語の特殊性」があります。
日本語は意味をあらわす表意文字と音を表す表音文字を併用するハイブリッド言語であるということです。


中国から流入した「漢字」を取り入れつつ自国語を形成したアジアの諸国では、ハイブリッド言語の国が沢山あったようです。しかし第二次大戦後には韓国が公用語をハングルだけにすることを法制化したように、ハイブリッド言語の国は少なくなってしまったそうです。そしてアジア各国はグローバル経済に適応すべく、競って英語教育に熱心に取り組んでいるのです。


そんな中、日本では表音文字表意文字を同時並行処理しながら言語活動を行っているというわけです。表音文字は仮名文字(しかもひらがな及びカタカタの2種類!)表意文字は漢字、場合によっては表意文字としての仮名、最近は外国語とか外来語なども混じっているのです!


さらに、脳内生理学の成果などから、日本人は漢字と仮名文字を脳内の異なる部位で処理していることが判明しているのだそうです。日本人の失読症(字が読めなくなる病気)には「漢字だけ読めない症状」と「仮名だけが読めない症状」があるが、欧米などでの失読症は「字が読めない」のひとつしかない、ということもその証左らしいのです。


このことから内田氏は「言語を脳内の二ヶ所で並行処理しているという特殊性は様々な形で日本人の思考と行動を規定しているだろう」と推定します。その一つの事例として世界に誇る日本の文化である「マンガ」の発達を挙げています。(この部分は養老孟司氏の説だそうです)


「絵」で画像、動きを見て「ふきだし(セリフ)」で音を感じ「状況説明文」で背景事情を理解し「擬音文字(ガガガガーーッなど)」で動きの度合いを感じ・・・・というような複雑な情報処理を、小さな子どもからオジサンおばさんまでがさほど意識せずに楽しんでいるののがマンガなのですね。これは実は大変なことのようなのです。
こんな不思議な言語「日本語」を使う日本人の特殊なところ、もっともっと知りたくなったのです。