- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11
- メディア: 新書
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私がこの一年ですっかりファンになった内田樹さんの最新刊を元日に読み終えました。ちょっとドキッとするようなタイトルは「日本辺境論」・・・わがニッポン国は辺境の地ということか?
高校時代に英語のヒアリングの勉強になるかもと時々聞いていた在日米軍向けラジオ放送局は「FEN」と言いました。(1997年からはAFN(American Forces Network:米軍放送網)に変わっています。)
時報の後に高らかに響く「ディス・イズ・ファーイースト・ネットワーク!」というアナウンサーの声を聞くたびに、「カッコイイなあ」というアメリカ人への憧れの感覚と共に、我々を東の端っこのそのまた端っこすなわち【極東】と呼ぶ人たちをずいぶんジコチュウな奴らだ、と薄々感じていた記憶もあります。
僕らがいつも見ている世界地図の上ではニッポンはど真ん中にある。それなのに、なぜに東の端っこのそのまた端っこと呼ばれるのか、などということを日常的に考えるようなことはないし、極東といわれることで特に卑下する感覚もない。そもそも、地球の中心はドロドロの燃えたぎるマグマなんだし・・・。
さあ、欧米文化圏から見て【極東】にあるように見えるらしい国の住民である日本人は非常に日本人論好きなのだそうです。戦後の成長期以降の日本人は伝統を大事にしなくなったとか、日本固有の文化が伝えられていないとか言われている割に、日本人とは何か?という問いを考えるのが大好きらしいという日本人とはいったい何者か?
本書で語られるいくつかの要点は後で少し紹介したいと思いますが、とりあえずは「非常に面白い、参考になる、元気にもなる日本人論」としてお勧めしたいと思います。まだ続く大不況ニッポンの苦境を乗り越えるヒントがたくさん詰まっているように思います。内田樹さんは面白いです!
今年もよろしくお願いいたします!!