独立FPの独白ブログ

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ことの真相(2)

生命保険営業の世界に永くいる者には共通の(多分)悩みのタネがあります。

長期的なライフプランを見極めて最適な設計をしたうえで契約された生命保険はそのお客様によくフィットしているのですから、当分の間は見直しや追加が発生する可能性は低いでしょう。
生命保険の販売手数料(または成約報酬)で食べている代理店や営業マンにとってこれは一種のジレンマでもあるのです。長持ちする良いものを提供すると次の販売機会が遠ざかってしまうというわけです。


だからといって、同じ顧客から継続的な新契約、追加契約を得るためにその必要性、適合性を軽視して短期間の保険商品ばかりを売りつけていては顧客は遠ざかるでしょう。(〜生命保険は毎年見直せるように1年契約で継続してゆくのが合理的との考え方もありますが、誰にでも当てはまる手法とは思いません。〜)
長持ちする良い保険を提供して信頼を得て、お客さんを紹介していただくことで新規の開拓につなげてゆく、これが生保営業の正しい道です!


それはさておき、毎日のように新聞テレビで報道されるダム建設計画見直し問題ですが、すでに多くの人が指摘しているように「数十年間も完成しないままであったダムが本当に必要なのか?」という素朴な疑問が生じます。
そして、より単純な疑問は「何故それほどまでに時間がかかっているのか?」です。


地元住民の反対を押し切ってダムを建設しようとしているから時間がかかるのか?
長期的使用に耐えるしっかりとしたものを建設するには時間がかかるのか?
一説によると、建設推進派の後押しを自分の得票に結び付けようとする国会議員と、建設反対派の得票を狙った大物議員とがいて、彼らの選挙戦略のために計画が進んだり伸びたり中止したりしたのだそうですが本当なのでしょうか?(すごい話ですが、有りがちな感じもします)


そうして計画が進んだり止まったりしてダラダラしている状態の中では、実は色々な周辺土木工事や関連工事がダラダラと行われているのではないかと思います。
「きちんとした立派な有益なダムが建設されること」とは別に、「毎年一定量の工事が受注できる」ような状況を歓迎する人たちが存在するのではないか?


「長持ちする良いものを作って提供する」こととは関係なく、
「当分の間、この計画による売り上げが継続して見込まれる」
これは、工事を請け負う業者にとってはなかなかメリットのある「オイシイお客様」というようなことにつながるのではないか? 実はこれこそがことの真相ではないのかなあと思うのですが、いかがなものでしょうか?


もしもそういう事情であるのなら、「広大な土地に大きな穴を掘ってはその穴をきれいに埋め戻す、という何も生み出さないダラダラ続く土木工事」の計画をつくって差し上げて予算計上してはどうでしょうか? ・・・とでも言いたくなるのです。 


多くの商品、サービスはその提供者が食べるために存在する・・・悲しい。