昨日が憲法記念日だったことをどれだけの人が意識をしたのだろう。と書き始めて、ふと昨年も書いたような気がしてチェックしてみたところ、やはり同様のことを書いていました。
ついでに一昨年、その前の年もチェックしてみると、毎日のようにブログを書いていたにもかかわらずこの話題には触れていませんでした。つまり私自身も憲法記念日に憲法に思いが至ったのは最近のこと、ということなのでしょう。
昨年も書いたことを今日も繰り返そうと思います。
『天皇または摂政及び国務大臣国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う』
・・・日本国憲法第99条の条文です。憲法とは国民を統治する側の権力行使に一定の枠をはめるための最上位の法律です。
人はみな「何か自分を包み込む大きなものに身をゆだねていたい」という素朴な感覚を持っているらしく、この感覚から、長いものに巻かれて生きる生き方を良しとすることもあるだろうし、日々の暮らしの煩雑さのなかでは、なかなか権力のこと国家のこと、自分の権利と義務のことなどを思う余裕がないという現実でもあるでしょう。
しかし、現在の日本はれっきとした民主国家なのであって、民主の民は我々庶民のことに他ならず、本来の主役である我々が自由を確保し平和を維持し権利を行使できる世の中を守るためには、「権力への歯止め」である憲法が人ごとであってはならないのは自明です。
司法の世界ではこの5月から「裁判員制度」という大変な制度がスタートします。人の命を奪うことすらできるようになっている権力構造の中に普通の庶民が取り込まれることになるのです。
判断の良し悪しを別として、紛争解決の手段として武力を行使しないと明言する憲法9条があきらかに犯されていて、根本的議論が先送りされ続けています。
経済の停滞から、職を失い、家を追われる者が増え続け、健康で文化的な最低限の生活を維持する権利(25条生存権)すらも脅かされる不況のニッポンです。
いま、この時代に憲法の本義について考えないというのは、「わたしはどうなっても構いません」という思考停止の最たるものと思うのです。「憲法は私たちを守る大事な大事な盾なのです!」
資格試験受験界のカリスマによる本なのですが、資格受験者ではないひとにも、大変良い本だと思うので、これを紹介しておきます。
- 作者: 伊藤真
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (22件) を見る