独立FPの独白ブログ

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緊張感無き国家ニッポン

ここ数日の北朝鮮ロケット(またはミサイル)発射の報道で、数年前に路上でテレビの報道クルーに呼び止められてインタビューされたことを思い出しました。そのときの質問は「北朝鮮がテポドンを発射するということですが、どうお考えですか?」というものでした。調べてみればそれはほぼ3年前のテポドン2号の発射失敗の時だったようです。


インタビューを受けた時間は発射失敗が判明する数時間前でしたが、そのとき私はこう答えました。「こういうことに関する情報は真偽のほどが非常に分かりにくい類のものだと思うので、早計に何だかんだと言えないのではないかと思います。ハイ・・・。」
多分、雰囲気はあまりにも冷静で、かつこれと言って主張や感情の吐露がない、つまり何にもインパクトのないつまらない答えだったので、おそらくいかなる番組でもオンエアはされなかっただろうなと推察しております。がしかし、私のその答えは、国際情勢についての詳細を知らない単なる庶民の態度としては、結果的に正しい姿勢のひとつであったろうと、今にして思えるのです。


北朝鮮の今回の行動の真の目的など知るすべもありませんが、おそらくは国際交渉においての戦略カードのひとつであり、国内向けの宣伝行為であり、官僚の自己満足でもあり、諸外国の反応を見るための情報収集手段であり・・・・要するに手練手管の一種なのだろうということは素人の私でも分かります。(単なる大きな打ち上げ花火なのかも知れませんが・・・)


そして、各国はやはり(まあ無視すると言うわけにもいかず)それなりの仕方で反応していますし、特に隣国ニッポンなどからは非常にこっけいで笑える対応状況の報告が次々と寄せられて、あの国のトップ連中は思いのほか大きな収穫であったと満足しているのではないでしょうか。政府や防衛省や各自治体や政治家やらの右往左往する姿に、自分達を棚に上げて大笑いしているのではないかと想像してしまうのです。


それにしてもTVのニュースバラエティでの取り上げ方は、野球のWBCだとかお笑いタレントの離婚騒動だとか上野公園の花見客の騒ぎなどと、さほど変わらない次元の出来事のような扱いかたにしか見えませんでした。本当にテレビってすごい!


ここ数年言われ続けていることですが、日本には国家戦略とかいうものはほとんどないのではないか。国家の中枢によほどのコネでもないかぎり、我ら一般市民を守ってくれる「国」というものの実態は存在しないのではないか、というのが本当に現実であるらしいということをあらためて認識させられてしまった2日間でした。


自分のことは自分で守るしかないようですよ皆さん。暮らしも安全も最低限の命の保証も自己責任で考えざるを得ないようです。
しかし、こういうことを経験するたびに「日本はアホミタイな平和ボケ国家だ」とか「政治家も役人も情けないほど無責任だ」などと言い放つことは、間違いなく「天に唾する行為」なのだと知るべきでしょう。
「国」はなんとなくそこに有るのではなく、我ら国民が形作っているはずなのです。国にここまで緊張感、責任感が無いということは、結局は国民意識のレベルの反映に違いないと私は思うのです。


なんと言っても殆どの選挙で投票率が半分程度の我ら国民なのですから・・・。ああ、またこの話になってしまった。