独立FPの独白ブログ

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強欲資本主義のトップリーダー

賞与総額は209億円=当初報告上回る−米AIG
コネティカット州司法当局は21日、政府管理下で経営再建中の保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が幹部社員らに支給した賞与の総額が、これまで報告されていた規模を上回る2億1800万ドル(約209億円)に上っていたことを明らかにした。米メディアが伝えた。
 AIGはこれまで、経営危機の原因となった同社のデリバティブ(金融派生商品)部門の幹部らに対し、人材流出を防ぐとの名目で総額1億6500万ドルの特別賞与を支払ったと報告されていた。しかし、同社の提出資料で、これより5300万ドル多い支給が判明したという。(2009/03/22-時事通信)


ボーナスの支給は契約条件なのであり、それを拒めば会社側が法的に訴えられることになる。今後経営再建を進めるためには人材を確保する必要があった。などと色々弁明しているようですが、要するにこの会社では節度も倫理観も持ち合わせない強欲金融マンが沢山幹部になっていたという単純なお話ではないでしょうか?


マネーがマネーを生むアメリカ流金融経済システム最先端の世界は「バブルを作り出しては破綻寸前に売り抜ける」金融市場サーファーとも言うべき天才だけが生き残れる世界になっていたと想像できます。
そんな「売り抜ける天才」達なのであれば、会社の経営が破たんしようとも自分の取り分だけは何とか確保しようとするのは当然のことなのでしょう。


よく言われる「アメリカ=契約社会」ということは「契約書というもので誰が見ても分かるようにしておかないと約束が守られない」可能性が高い社会であることの反映とも言えるでしょう。
「世間に顔向けが出来ぬ」とか「お天道様に申し訳が立たねえ」というような「あいまいではあるけれど誰もが共有している倫理観」で社会秩序が成り立つ可能性のある(多分そうだと思うんですけど??)日本との根源的な国民性の違いをつくづく感じてしまうのです。


ただ私も、アメリカ人がみんなそういう人たちなのだとはまったく思いません。そういう人たちが国家権力の近くに沢山集まってしまった、つまり支配層に巣食って勢力を伸ばしつつあった人たちがそのような人種であったのではと想像しています。


経営学のカリスマであるドラッカー氏の代表作「現代の経営」に次のような一説があるそうです。
「人格よりも頭脳を重視する者を経営管理者に昇格されてはならない」・・・ううむ、そのとおりですよね。
更にもうひとつ
「経営者の報酬が平社員の10倍になったら、その会社は赤信号」
・・・アメリカではこれが軽く1000倍を超えているそうです。異常です。