独立FPの独白ブログ

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損保の再編成

来年4月の経営統合で合意=持ち株会社下で併存−損保ジャパン・日本興亜
 損害保険ジャパン日本興亜損害保険は13日、2010年4月に経営統合することで基本合意したと発表した。新設する共同持ち株会社の下に両社が併存する形を取る。2社合計の正味収入保険料は約2兆円で、三井住友海上グループホールディングスあいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険が経営統合して誕生する新会社や、東京海上ホールディングスに次ぐ規模となる。
 2社統合により、損保業界は現在の大手6社体制から、収入保険料で2兆円超の「メガ損保」3グループ体制に移行する。(3月13日時事通信)

三井住友海上あいおい損保の統合の報道に続いての損保統合計画の発表です。ハンバーガーみたいに「メガ」ばやりの昨今です。


私が就職活動を行ったのは大学4年生だった三十数年前の秋、オイルショックの後遺症のため、多くの企業が新規採用枠を縮小しており、これといった特筆すべき特長もなく何の取柄もないただのノンポリふわふわ大学生だった私は、周りの友人達が次々と内定を獲得する中、15社を超える企業から断られては焦りまくっておりました。その蹴られた15社のうちなんと10社が保険会社だったことは以前にも書いた記憶がありますが、今日、損保業界再編のニュースに触れてまた思い出しました。


当時のメモを確認してみたところ、私が就職活動をした生命保険会社は第一生命、千代田生命、日本団体生命、第百生命、太陽生命、協栄生命、損害保険は千代田火災、興亜火災、大東京火災、共栄火災、合計10社でした。なぜこんなに保険会社を志望したかというと、当時は「時間的に楽、福利厚生がよく、高給で、スマート」という思い込みであったように思います。世間のことを何も知らぬガキの低レベルな思い込みとは言え、なんともお恥ずかしい限りです。楽して稼げると考えた、実にイヤなガキです。


私がエントリーした保険会社の中で、現在も同じ社名で残っているのは第一生命と太陽生命共栄火災の3社のみなのに気付き、感慨無量というところです。数社の生命保険会社は破綻してしまい、損保会社は共栄火災以外は経営統合によって社名が変わっています。


私が損害保険の代理店契約を結んだのは「住友海上火災」でしたが今は「三井住友海上火災保険」になっており、来年度には千代田火災と大東京火災の統合会社である「あいおい損保」と更に統合することになりました。昨日まで熾烈なシエア競争の相手であった保険会社同士がひとつの会社になるのは、内部の人たちにとってはおそらく大変なことでしょう。


それにしても生保、損保、銀行、証券、投資銀行などひっくるめての金融界大再編成の動き「金融ビッグバン」とは一体なんだったのか。ニーズの多様化に対応して多様なサービス展開を可能にするという謳い文句だったはずのビッグバンですが、結局は破綻、統合を繰り返し、最終的には銀行も含めて超巨大金融会社を生み出すばかりです。この流れはまだ続きそうですね。


弱小保険屋のたわごとではありますが、大きくなればなるほどきめ細かいサービスがおろそかになるのではないかと私は思います。
規模の論理の競争の世界では当然に効率化重視が優先されるでしょう。巨大化すればするほどに現場の顧客との距離が遠のくばかりではないのかという懸念を強く持つのですが、どうなんでしょうか。まあ、だからこそ我々のような「仲を取り持つ」商売が意味を持ってくるとも言えるかも知れませんが・・・。