独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

もう少しゆっくり話そうか


気が付けば今年も12分の1が過ぎ去り、この2月も14分の1が終わろうとしています。(フーーー)
こうしてどんどんどんどん歳を取って行くのです。下り坂は早いということなのか・・・。


最近私の父は少々耳が遠くなってきたようで、会話していても私が話した内容を聞き返すことしばしばであることに気づきました。志村けんの「あぁんだって?」というようなやつですね。84歳の父は視力の衰えかモノが二重に見えたりするというので、以前時々観劇に行っていた歌舞伎座にも足が遠のいています。そして近頃は聴力のほうも少し難儀な様子です。


「今なんと言った?」と聞き返す父に、私は同じ内容を少しゆっくりと、少し音量アップで話し、そうすればまったく問題なく話は通じます。今のところその程度ですんでいるのです。しかし、この「ゆっくり」と「大き目の声で」というのが慣れないとなかなか難しいのです。


高齢者介護の現場とか、医療関係、障害者施設関連などで働く人などならそんなことは常識であり、皆が日常的にやっていることなんでしょうが、そのような経験がほとんど皆無の者にとってはゆっくり話すというだけのことがどうもうまくこなせません。


少し前に元・文化放送アナの梶原しげるという人が書いた「老会話」という本にもあったと思いますが、高齢者には高齢者用の話しかたを意識すべしということですね。人に話を伝えたいのなら「相手のチューナー機能に合わせた発信をする」のが当たり前といえば当たり前です。しかし正直なところ、自分の親となるとその当たり前にもなにやら妙な抵抗があるものです。自分の親の衰えを認めたくないという深層心理なのでしょうか?


そう言えば、TBSラジオの土曜ワイドで永六輔さんが歯の不具合のせいで渇舌が悪く、ゆっくり話せばよいものをどうしても早口のクセが直らないというのが話題になっています。シャベリのプロですらそうなんですなあ。「ゆっくりやりましょうや」という心の持ちようは、今の日本にはとても大事なことのような気もします。