独立FPの独白ブログ

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後期高齢者医療制度:自民議員ら「反対」総会
 後期高齢者(長寿)医療制度の混乱を受け、自民党の「後期高齢者医療制度を考える会」が17日、党本部で設立総会を開いた。総会には90人以上が出席。制度見直しへの要望や周知方法への批判が相次いだ。同会幹部は「最終的には制度廃止が目的だ」と話している。
 自民党支持者が多い高齢者層を直撃する問題のため、総会では「今のままの説明しかできないなら選挙は戦えない」などの声が上がった。議員本人の出席は42人。派閥別では、山崎派16人、古賀派6人、町村派5人、津島派4人、伊吹派1人、二階派1人、無派閥9人だった。自民党の「社会保障制度研究会」もこの日会合を開き、議員からは同様の批判が相次いだ。(18日毎日新聞)


後期高齢者医療制度はとんでもないと、野党もマスコミも今頃になって(始まってしまってから)騒ぎ出しています。また、与党自民党内部からさえも反対、制度廃止論まで出始めました。
もともとこの新制度施行の元となった法改正は、改革、改革と吼え続けたあの小泉さんの政権下で決められたことです。あの時、所謂郵政選挙で国民が(知ってか知らずか?)指示してしまった「市場原理至上主義・小さな政府の競争社会」への方向転換の結果として進められてきたことではないのでしょうか?


郵政民営化は指示したけど、市場原理至上主義とか福祉の縮小とかを支持した覚えは無い」という人はおそらく少なく無いと思いますが、しかし郵政民営化小泉改革だと騒いでいたあの時に、その流れで本当に良いのかという問題を指摘し続けていた学者やジャーナリストは決して少なくありません。少なくとも毎日聞くラジオではかなり大きく声が上がっていましたよね。


分かっている人はちゃんと分かっていましたしその中の多くは反対票を投じていたはずです。分かっている人の「分かった上での支持」については、これはこれで仕方がありません。人には人の考え方があり、直接他者の権利を侵害しない限りはどんな思想を持つのも自由です。市場原理至上主義を選択するのも自由です。しかし、そうではなくて所謂改革の本質を理解せずに支持してしまったという人は、今のこの状況をどう感じているのでしょうか?


国家による生活基盤の補償はできるだけ最低限度に絞込み、自分の生活の構築は全て自由競争メカニズムに委ねることこそが自由平等の精神に則った正しいやり方である。自由競争の阻害要因となる国家、行政の介入は出来る限り撤廃し、各産業界の規制は極力緩和、廃止し、あくまで競争原理、市場原理に拠って立つ自由で活発な経済活動の促進をはかるべきである。


・・・という方向性に大きく進みだしてしまった今の日本では、少なからずあちこちでその反動が見え始めています。
郵便事業の民営化、金融機関の規制緩和、医療現場への競争原理導入、障害者自立支援法、裁判員制度の法制化、内部告発の活発促進、生活保障の自己責任化、労働の市場化、その他諸々の「所謂改革」の本質は何であるのか、すべてのことについて、これでいいのかを問い直すべきです。


「小さな政府」の理想は、国民には給付の縮小、負担の増加としてのみ現実化し、「自由な競争による発展」は競争力のあるものばかりに情報と富が集中することで現実化しているようです。こんな世の中が庶民にとって良いわけがないでしょう! 私たちは奴隷ではありません。日本には本当の近代化が必要です。