- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2003/04/25
- メディア: DVD
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ラスベガス近郊の砂漠にたたずむさびれたモーテル『バグダッド・カフェ』。そこに泊り客として現れたのは旅行中に夫と別れたドイツ人の女性のジャスミンだった。常に”怒り”モードで家族にもお客にも当り散らす女主人のブレンダは、この珍客の振る舞いにストレスを募らすばかり。だが、いつしか彼女の存在はこの店をオアシスのように潤し始めるだった…。
(DVDパッケージの解説文より抜粋)
ハラハラするような事件が起こることはなく、登場人物の驚愕の過去が暴かれることでもなく、思いもよらぬ方向にズルズルと急展開してゆくのでもありません。上記の解説のとおりのドラマ展開が淡々と進んでゆきます。そして、ギスギスした関係がジワジワとホカホカになって行く過程に、見ているほうはウルウルとなってしまうのです。
多分10年以上前にこの作品を見て以来パーシー・アドロンという監督さんに興味を持ち、「ロザリー・ゴーズ・ショッピング」「サーモンベリーズ」と観てみましたが、私の感性では「バグダッド・カフェ」のあの感動を超えるものではありませんでした。
人間はみな孤独で、それぞれ色々な問題を抱えている、悲しく寂しい日々が続く、だからこそ心を通わせて生きてゆきたいんだよね。寂しさの分かる人間こそ愛を与えることができるんだよね。そんなことを誰かと語り合いたくなるようなシミジミしたドラマです。
またこの映画のもうひとつの特長として音楽が実に素晴らしい効果をもたらしています。主題歌である「コーリング・ユー」のあの響きは10数年経っても忘れることがありません。この映画が忘れられず10数年ぶりにDVDを買ってまで観ることになったのは、「コーリング・ユー」の影響が非常に大きいのです。
レンタルではあまり出回っていないらしいので買うしか無いかもしれませんが、コレクションとして持っていて何度も観たい映画です。しみじみとほのぼのしたい人にお奨めです。