独立FPの独白ブログ

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有識者は政治家にはいないのですか?

官邸に有識者会議乱立・支持率低迷で改革アピール 

福田康夫首相が掲げた重要政策の実現に向け、首相官邸に有識者会議が次々とできている。食品の安全でクローズアップされた消費者行政のように複数の府省庁にまたがる課題が多く、官邸が司令塔にならざるを得ないためだが、内閣支持率が低迷するなかで政治主導を印象付ける思惑もうかがえる。
 「国民のためになるようなテーマが多いでしょ」。首相は8日、相次ぐ会議発足の理由を記者団に聞かれ、気色ばんだ。9日に消費者行政推進会議の座長に就く佐々木毅学習院大教授、10日は社会保障国民会議の座長の吉川洋東大教授を公邸に招いて意見交換した。


以前にも書いたことがありますが、黒澤明監督作品の名画「生きる」の冒頭は、日本のお役所の体質を批判的にコミカルに描くシーンで始まります。主人公の勤める「お役所」に陳情に出向いた主婦達が「その問題はウチ管轄外だから隣の課に行ってみて」という対応を受け、たらいまわしにされた挙句、気付いたら最初の部署に戻ってしまったというわけです。


福田首相が重要政策と位置づけているという「複数の省庁にまたがる課題を統括的に扱う施策」などというものは、この「生きる」が製作された時代から明確であった日本の縦割り行政の問題点が、半世紀にわたって放置され続けてきた証拠を見せてくれているだけのことなのです。


消費者省とか国民生活省などの発想は以前からあったようですが、仮にそういう省庁を立ち上げても、結局縦割りの区分けがひとつ増えるだけのことなのではないのかとついつい疑ってしまいます。問題は看板の掛け方なのではなく、その本質なのだと思います。


国民のためにあるべき組織がその組織自体の成長を第一優先課題と位置づけてしまうという「組織のエゴ」の部分に焦点を当てて、そうした矛盾を出来る限り最小化する努力を冷静に推進しない限り問題はいつになっても先送りされ、本末転倒官僚主導の官主主義社会は進歩することが無いでしょう。国民より俺らの方がエライと思っている官僚なんてまったくオカシイ!!


それにしても、「有識者会議」が次々に出来ているということは、我々が生活のこと社会のこと平和のことなどを託して代表として選んだはずの政治家センセイは「有識ではない」人ばかりということなのでしょうか? ちょっとおかしくないですか????