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独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■99%以上面白い!


99%の誘拐 (講談社文庫)

99%の誘拐 (講談社文庫)


岡島二人という作家については名前のユニークさもあり、書評などの評判の良さもあって以前から気になっていて読みたいと思っていたのですが、なんとなく躊躇してこれまで読まずにいました。なぜなら、この作家の作品にはコンピュータや電子機器が頻繁に登場することと、その時代が少々古い(ほとんど1980年代)ことから、ケイタイでテレビ鑑賞は当たり前、1人1台パソコンも珍しくない今の時代に読むのでは多少陳腐な展開と感じることなどがあるのではと勝手に想像していたのでした。


例えば、昭和のある大作家の有名なミステリは航空機の個人利用がまったく一般的でない時代の小説であり、そのことがトリックに大きく絡んでいたことで少し興ざめしたりしたものです。(トリックが分かってしまいました)
生まれた時から身の回りに携帯電話があるという世代の若い人には、公衆電話をトリックの中心に置いた謎解きミステリは通用しないなんてこともあるでしょうし。


しかし、先日読んでみた岡島二人著「99%の誘拐」ではそのような懸念は見事に吹っ飛んでしまいました。とっても面白いです。さすが大変よく売れているだけありますね。これで、岡島二人およびコンビ解散後の井上夢人さんの作品はこれからドンドンと読んでゆけることになりました。また好きな作家候補がひとり増えました。


この小説ではある分野の「先進的な技術」が登場していますが、ひょっとすると発表当時(80年代後半)には「そんな馬鹿な」という反応がかなりあったかも知れません。ほぼ20年経過した現在でも決して陳腐化していることは無いですが、あの頃に読んでいたなら少し飛びすぎていると言う印象を感じたかも知れませんし。(まだノートパソコンが50万円以上もした時代ですから)
今まで読んでいなくて、結果的に正解だったのかもと、妙に感心してしまいました。岡島二人さんは早すぎた作家だったのかも知れません。