独立FPの独白ブログ

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■経営トップも騙される

マクドナルド会長らから7千万詐取、元IT関連社長を逮捕
 架空の投資話を持ちかけ、ハンバーガーチェーンの日本マクドナルド(東京都新宿区)の会長ら2人から計7000万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は19日、東京都渋谷区広尾3、無職林茂道容疑者(49)を詐欺の疑いで逮捕した。
 調べによると、林容疑者は2002年5月〜6月、いずれも知人だった原田泳幸日本マクドナルド会長(58)と、法律事務所勤務の男性(63)の2人に、「証券会社からファンドの仲介を依頼されている。『お土産玉』と称する利回りがつくので、必ずもうかる」と偽り、原田会長から5000万円、男性から2000万円をそれぞれ銀行口座に振り込ませた疑い。
 紡績会社で資金運用などを担当した経験がある林容疑者は当時、コンピューター関連会社を経営しており、「会社の運転資金が必要だった」などと供述している。原田会長も、アップルコンピュータ日本法人の社長を務めていたことから林容疑者と知り合ったとみられ、別の投資話に出資したこともあるという。その後、05年3月に日本マクドナルドの会長に就任した。(11月19日 読売新聞)


悪い奴に騙された人はあくまで被害者であり同情されるべき立場である、とは分かってはいても、この事件のように超有名企業の経営トップの地位にある人が、こんな単純な詐欺に簡単に引っかかってしまっていいのだろうか…と、ついつい考えてしまうのです。


また、この詐欺師がおそらく実しやかに説明したであろう「世間では公表されてないウラの金融商品」のようなものに、この経営者氏が飛びついたという事実は、結構重いでしょう。
例えば株式投資でいえば「絶対にばれないインサイダー取引」であったり、「一般には売られていない資産家対象の優遇投資商品」だったりしても、この方々は数千万円を投資したのかも知れませんよね。というような想像をしてしまうと大企業のトップといったって、たいしたことはなさそうですよね。そういう胡散臭いものには一切手を出さない潔さが欲しいものだと思うのですが…。


また、こういう詐欺事件でいつも思うのは、騙されること自体が新たな被害者を生んでしまって、結果として被害者が加害者ともなるという現実のことなのです。
最近ようやく捜査対象となった「円天」が世間に広がりつつあった頃、自分を信用する友人たちをどんどんと会員に勧誘しては、次々と新たな被害者を増殖させてしまったオバチャンやオジサンたちは被害者でもあり、また実質的には加害者でもあるといえるでしょう。


自分の目と耳で物事の本質を見極め、自分の判断で選択するというごく当たり前の作業を省略してしまう人が増えているというどうにも気味の悪い感じの今日この頃であります。食品の様々な偽装事件を見ても、根っこには同じ問題があるように思えるのです。
「吉兆の但馬牛の味噌漬けはものすごくおいしいよ。高いだけあるわあ。」などと言っては友人知人に大いに勧めまくっていたひとがきっと少なからずいるはずです。騙す人が悪いのは当然ですが、騙されることも悪いことなんです。気の毒、だけでは済まないのだと自覚するべきでありませんかね。